町田啓太、“おかしみ”を作り出す独特の個性 『チェリまほ』黒沢役でも魅力が爆発

町田啓太、“おかしみ”を作り出す独特の個性

 劇団EXILEが総出演、SABUが監督を務めた映画『jam』では、町田は“ピュアボーイ”西野タケルを演じた。入院中の恋人の意識が、“善いこと貯金”をすれば戻るのではないかとタケルは奔走する。そのまっすぐさに、ときおり凶器のようなものをにじませていた。

 また、『PRINCE OF LEGEND』で演じた「先生王子」の結城理一は、ただひたむきに王子であることを追求しており、『チェリまほ』の黒沢と同じように、頭の中の情報力は多く、ひとりでぶつくさいろんな考えており、それがおかしさを感じさせていた。

『前田建設ファンタジー営業部』(c)前田建設/Team F(c)ダイナミック企画・東映アニメーション

 映画『前田建設ファンタジー営業部』では、掘削オタクのヤマダを演じたが、作業着に無造作な長髪、そして掘削に対してはひたむきで、早口で語りまくすというそのキャラクターがおかしく、そんな姿に最初は眠気に襲われていたエモト(岸井ゆきの)が、徐々にヤマダの「土って感じ」の人間性に惹かれていくというのも良きシーンとなっていた。

 たくさんの映画やドラマに出ている町田が、そんな“特殊”な役ばかりやっているわけではない。役によって、違った魅力を放っているし、こうした“おかしみ”のある役は、たくさん演じてきた中の一つにすぎない。

 しかし、これらの作品から見えてくるのは、町田は、何かにひたむきで、邪念がなく、周りも見えなくなるほど夢中になっている姿を演じているときに、その“おかしみ”が爆発しているということだ。『チェリまほ』では、“おかしみ”に加えて、邪念の一切ない優しさがときに安達と視聴者の胸を打つ。“おかしみ”と誠実さ、清廉さを両立できるのが、町田の俳優としての稀有な才能だろう。

■西森路代
ライター。1972年生まれ。大学卒業後、地方テレビ局のOLを経て上京。派遣、編集プロダクション、ラジオディレクターを経てフリーランスライターに。アジアのエンターテイメントと女子、人気について主に執筆。共著に「女子会2.0」がある。また、TBS RADIO 文化系トークラジオ Lifeにも出演している。

■放送情報
木ドラ25『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』
テレビ東京ほかにて、毎週木曜深夜1:00〜1:30放送
BSテレ東/BSテレ東4Kにて、毎週火曜深夜0:00〜0:30放送
※放送日時は変更になる可能性あり
出演:赤楚衛二、浅⾹航⼤、ゆうたろう、草川拓弥(超特急)、佐藤玲、鈴之助、町田啓太
原作:豊田悠(掲載『ガンガンpixiv』スクウェア・エニックス刊)
オープニングテーマ:Omoinotake「産声」(NEON RECORDS)
エンディングテーマ:DEEP SQUAD「Good Love Your Love」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
監督:風間太樹、湯浅弘章、林雅貴
脚本:吉田恵里香、おかざきさとこ
プロデューサー:本間かなみ(テレビ東京)、井原梓(テレビ東京)、熊谷理恵(大映テレビ)
制作:テレビ東京 大映テレビ
製作著作:「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」製作委員会
(c)豊田悠/SQUARE ENIX・「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」製作委員会
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/cherimaho/
公式Twitter:https://twitter.com/tx_cherimaho

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