眞島秀和が語る、『おじカワ』の経験と同作に寄せる想い 「人に優しくできるきっかけになったら」
「翼くんは、キャラクターの筋道をものすごく考えている人」
――好きを大切にするという主題も素敵でしたが、小路さんとケンタくん(今井翼)を中心とした大人の友情劇としても胸打つものがありました。
眞島:なかなか大人になって新しく心打ち解けられる友達ってできないですからね。あんなふうに共通の趣味を持っている人同士、友達になれるのはいいですよね。
――小路さんとケンタくんの関係性が、お互いに相手を思っているからこそ遠慮しすぎちゃうところとか、男性の友情モノとしてはすごく新鮮でした。
眞島:そこについてはテストをしないという監督の撮り方がすごくうまく作用したなと思います。翼くんとは役柄についてそこまで深く話し合うということはせず。おかげでいい緊張感をキープできましたし、それが小路とケンタの関係にも出ていたんじゃないかなと。
――今井さんのお芝居はいかがでしたか?
眞島:翼くんは、ケンタだったらこうするといったキャラクターの筋道をものすごく考えている人でした。今回、見る人が見たらふたりの描かれ方がBLっぽいテイストに見えるところもあると思うんですけど、そこについても翼くんは真剣に考えて、よく監督とも相談していましたね。
――小路さんとケンタの関係が深まる過程は、確かにちょっとBLっぽくも見えました。眞島さんはどう捉えていましたか?
眞島:僕も最初に台本を読んだときに「あれ? そういう雰囲気なのかな?」とは一瞬思いました。それでプロデューサーに聞いたら、そういうことじゃないと。あれは友情なんだと言ってもらえたので、男の友情として演じました。
――ああやって相手はどう思っているんだろうとモヤモヤしながら友情を築いていくのって、男同士でも十分にあることなので、個人的にはすごく共感できました。
眞島:ドラマの中にもありましたけど、思っていることは言葉にしないと伝わらないんですよね。どうしても迷惑かなと遠慮しちゃうところもありますし。こんな距離感で嫌がられないかなって不安になったり。僕もよく考えますよ、そういうことは。ふたりを見ていると、とてもシンプルなことで人との距離感は変わるんだなと思いますね。
――おじさんたちで言えば、桐山さんの演じた鳴戸さんもとても面白かったです。
眞島:今回、漣くんとも初めましてだったんですけど、役者としてとことん振り切ったことができる人なんだなと驚きました。しかもそれを静かに自分でも楽しんでいる方だなと。
――あの「ぐぬぬ」の表情とか、見ててつい笑っちゃいませんでしたか。
眞島:おかしくて笑うというよりは、すごいなと感心しました。あれこそ本当に原作の漫画で描かれた絵をそのまんま形にしたようで。これは漣くん、かなり研究をしてきてるなと。