『おじカワ』に詰まった“好き”を大事にすること 眞島秀和×今井翼×桐山漣の不器用さも癒やしに

『おじカワ』に詰まった“好き”を大事にすること 眞島秀和×今井翼×桐山漣の不器用さも癒やしに

 今“おじさん”がアツい。

 『半沢直樹』(TBS系)は舞台出身のベテラン俳優陣による演技合戦で視聴率独走状態。また『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)でも、アウトローや闇を宿す役柄が多かった大森南朋が主人公・メイ(多部未華子)を“お母さん”のように包み込む家政夫を演じ、女性たちから支持を得た。今期のヒットドラマは“おじさん”がキーワードになっていると言って間違いない。

 そんな中、深夜帯のOAでありながら、放送中にタイトルがTwitterでトレンド上位入りを果たすなどおもしろい動きを見せている“おじさんドラマ”がある。その名も『おじさんはカワイイものがお好き。』(読売テレビ・日本テレビ系)だ。

 原作はツトムの同名コミック。オフィスの内装などを手掛ける会社の営業課長・小路三貴(眞島秀和)は43歳のバツイチ。容姿端麗で仕事も完璧、部下からは慕われ、上司の信頼も厚い“イケオジ”だが、彼にはある秘密があった。その秘密とはカワイイものに目がないというパーソナリティ。特に幼い頃にぬいぐるみを手にして以来、黄色い犬のキャラクター“パグ太郎”には強烈な愛情を注ぎ、おしゃれな自宅マンションもパグ太郎グッズであふれている。

 ある日、小路がパグ太郎のガチャで限定グッズを手にして喜んでいたところ、中目黒で踊っていそうな目つきの良くない男性と目が合ってしまう。彼の名は河合ケンタ(今井翼)。後日、仕事の打ち合わせでオフィスに現れたケンタと小路はチームとして一緒に仕事をすることに。

 といった導入で始まる本ドラマ、非常に癒される。そして萌える。さらに共感ポイントも多い。まず最大の癒しポイントは、小路を演じる眞島秀和の自然なのに振り幅の大きい演技だ。ともすれば役をデフォルメしすぎてクサくなる可能性もある設定のなか、パグ太郎を愛し抜く“おじさん”をギリギリのところで演じきる姿は見事にキュート。経年で薄く汚れているパグ太郎を抱きしめ「会いたかったよお(ハート)」ともだえる姿がおもしろくもどこか切ないのは眞島の芝居がなせる技だ。

 また、カワイイものが好きという共通点で小路と距離を縮めるデザイナー、ケンタ役の今井翼も魅力的。リア充100%のルックスでありながら、自宅には「くまのがっこう」のドールハウスを置き、ひそかに愛でている意外性。コミュニケーション術に長けているようで、小路に対しての感情の揺れを繊細に見せる姿が悩ましい。

 そこに近年『これは経費で落ちません!』や『いいね!光源氏くん』(ともにNHK総合)で強い存在感を示した桐山漣演じる鳴戸も加わり、3人の“おじさん”によるカワイイものラブなストーリーが展開するのだが、ここで注目したいのは彼らの不器用さだ。

 3人とも仕事はでき、社会的な立場もある。あまりルックスのことばかりにこだわりたくはないが見た目もいい。が、仕事を離れたところでの人間関係の構築がどうにもおぼつかない。

 特に小路。結婚していた頃は自分が愛するパグ太郎のことを妻に打ち明けられず(バレているのに)、今はカワイイものを愛する同志としてケンタと打ち解けたくともなかなか心を開けない。第2話でケンタとともにファンシーショップ(銀座博品館!)に出かけた小路が自分の気持ちより周囲からの視線を気にする姿にはヤキモキしてしまった。

 また、鳴戸も必要以上にガードがかたい。野良猫に買ってきた餌を与える優しさはあるのに、会社の同僚、特に小路へのあたりはキツく、まったく心を許さない。唯一、彼が無防備になるのは猫を目の前にした時だけだ。そこでの鳴戸は「猫ちゃあああん」と子供のようにほどけた顔になる。

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