『妖怪シェアハウス』が示した“2つの結婚” 小芝風花が選んだ“もうひとつの道”は?

『妖怪シェアハウス』最終話が選んだ道

「結婚できなくて何が悪い。家族がつくれなくて何が悪い。常識なんてクソくらえ! 生きたいように生きて何が悪い!」

 妖怪たちとシェアハウスをするうちに、自らの頭からもツノが生えてきて妖怪化が止まらなくなってしまった目黒澪(小芝風花)。妖怪たち同士のテレパシー会話も聞き取れるようになり、いよいよ引き戻せないタイミングがやってくる。水岡譲(味方良介)の父・衛(福田転球)からは人間の男と結婚すれば妖怪化を防げると言われ、そんな折に譲と原島(大東俊介)からは立て続けに求婚を迫られる。果たしてどちらを選ぶか……。『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)最終話では、どちらかを選ばないといけないデッドラインの“26日”が徐々に近づいてきた澪が、予想外の“ある決断”をするのだった。

 譲か原島かを選びあぐねる澪を見かねた座敷童子(池谷のぶえ)は、妖怪たちとともに井戸の奥の大鳥居に鎮座する天狗大王の元へ。そこで天狗大王に懇願して手に入れたのは、なんと“パラレルワールドを見ることができる”不思議なお札だった。澪はお札を胸に抱えたまま眠り、“2つの結婚”を見ることになる。

 水岡家に嫁ぎ、宮司の嫁として譲を支えながら幸せそうに暮らすひとつの未来。子育てをするなら早いほうがいいと、後継ぎとなる子づくりを周りからせっつかれるような描写もあった。そしてもうひとつの未来が、原島との結婚。編集者である原島に支えられながら澪は小説家としてどんどん活躍し、著作が映画化されるなど明らかに“成功”に近づいていた。しかし、自分が書きたいことからは少しずつ離れてきている様子も。どちらもカレンダーの“26日”のところにつけられた二重丸の印を見て、何かを忘れているような感覚を持って目を覚ます澪なのだった。

「これ、懸賞の締め切りの印だったんだ……」

 その“26日”というのは、結婚=妖怪化のデッドラインでありながら、澪が応募しようとしていた懸賞に出す小説の締切日でもあったのだ。2つの結婚をパラレルで見てきた澪は、そのどちらでもない小説へと必死に筆を走らせる。どんどんツノが生えていきながらも、そこには2つの未来にはない澪の輝きがあった。

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