『妖怪シェアハウス』脚本・西荻弓絵の真骨頂発揮! 『SPEC』にも通じる特殊キャラ放出祭り
世の中への怒りの表れなのか、妖怪と寝食を共にしているからなのか、第4話のラストでは鬼のように頭にツノが生えて妖気を漂わせていた澪(小芝風花)。『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)第5話では、このツノがさらに長く伸び、いよいよ異様な雰囲気に。『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(TBS系)の脚本家でもある西荻弓絵の真骨頂も垣間見え、特殊キャラの個性乱れ打ちが印象的な回となった。
第5話の冒頭、澪が勤めるこんじゃくプロダクションに、本社である今昔出版から経営統括部の香澄(幸田尚子)という女性がやってくる。今昔出版の会長・大滝(山路和弘)の妻でもある彼女は、大滝の喜寿の祝賀パーティーで配るという会社創立100周年の社史をわずか1か月という短い期間で制作してほしいと頼み込んでくる。原島(大東俊介)は「無理だ」とすぐさま断るが、澪のちょっとした意見が香澄に気に入られ、プロジェクトのリーダーとして引き受けることになってしまう。香澄に食事に連れていってもらったり、高価な財布をもらったりして徐々に心を奪われていく澪は、恩返しのためにもとすっかりやる気満々に。しかしやはり100年分の膨大な資料を捌くには大変な仕事量が必要になり、徐々に追い込まれていくのだった。
当初は本社からサポートで社員が手伝いにくる予定だったのが、トラブルが発生して派遣できなくなるなど、だんだん雲行きが怪しくなってくる。そんな状況を不審に思った社員の美雪(内藤理沙)は、実は会長の前妻の息子である原島を追い出すために、無理な仕事を香澄がふっかけてきているのではないかと推測。実際に彼女の身辺を調査していくと、会社の乗っ取りを狙った香澄の策略であることが明らかになっていった。その事実に気づくまで、なんとか期待に応えようとしゃかりきに仕事をこなしていた澪。挙げ句の果てには大熱を出して倒れてしまい、とうとう我慢しかねた妖怪軍団が澪のサポートに乗り出す。
今回のメインサポートメンバーは、ついにその正体が明らかになるぬらりひょん(大倉孝二)。「妖怪の総大将」などとも呼ばれながら、夕方など家の者が忙しくしている時間帯にどこからともなく家に上がり込み、煙草を吹いたり茶をすすったりしていつの間にか去っているという、「それだけ?」な印象を持たせる謎の妖怪だ。本作では指パッチンの仕草によって魔術的なパワーを相手に仕掛け、最終的に香澄の存在をあぶり出すことにも成功。悪者退治の方法は毎回ファンタジックで現実離れしているが、なかなか自分に自信が持てない澪に妖怪たちが教訓を与えていく姿は頼もしい。