『ザ・バットマン』は“ヒーロー×『セブン』”? 重大発表相次いだ「DCファンドーム」を振り返る

重大発表相次いだDCファンドームまとめ

 最後にその他の作品についても触れておきましょう。

『ザ・フラッシュ』

 エズラ・ミラーがテンション高い進行を務め、監督のアンディ・ムスキエティや脚本家、プロデューサーらが参加。2つの重要なコンセプト・アートが披露目。なんとフラッシュのコスチュームが新しくなり、よりスリムになった感じ。

 そしてバットマンとチームを組むことが判明。そのバットマンはコスチュームからして、ティム・バートン版=マイケル・キートンが演じたバットマンなのです! そう、フラッシュが時空を超え別次元のバットマン(ティム・バートンの『バットマン』)と出会うのです!

『ブラック・アダム』

Black Adam - Official Teaser (2021) Dwayne Johnson | DC FanDome

 ドウェイン・ジョンソンがアンチ・ヒーロー(基本的には『シャザム!』のライバル)を演じる話題作。ドウェイン・ジョンソン自らがストレートトークでプレゼンするという気合のいれよう。コンセプトアートをアニメのように動かしたプレゼン動画をみせてくれました。そして本作では“JSA:ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ”というヒーロー・チームとブラック・アダムが戦うこともわかりました! そのJSAのメンバーであるヒーロー“アトム・スマッシャー”を演じるノア・センティネオもビデオ参加です。コミックでは、JSAはジャスティス・リーグが誕生する前に活躍したヒーローチームなんです。ドウェイン・ジョンソンが「DCといえばバットマン、スーパーマンと思ってるだろうが、これからは違うぜ!」とかっこよく締めてくれました。

『アクアマン2』

 監督のジェームズ・ワンと『アクアマン』で主人公のライバル、オーシャンマスターを演じたパトリック・ウィルソンが登壇。『アクアマン2』でオーシャンマスターの再登場が発表されました! オーシャンマスターのファンは多いのでこれは嬉しい!

『シャザム!』続編

 シャザム役のザッカリー・リーヴァイと監督、そして子役たちが(みな成長してる)Zoomでワイワイ語ります。シャザムとZoomをかけて“SHAZOOM”というコーナー名も楽しい。『シャザム!』で一番年下のダーラを演じたフェイス・ハーマンちゃんがさりげなくポスターをみせて、この続編のタイトルが『Shazam: Fury of the Gods(原題)』と発表!

 というわけで至福の時間でした。DC映画は“マルチバース”という積極的に取り入れていくそうで、これはちょっとづつ異なる、複数のパラレルワールドが無数に存在する、という概念です。だからマイケル・キートン、ベン・アフレック、ロバート・パティンソンのバットマンはそれぞれ別次元のお話ということでどれも「あり」なのです。だから自由に色々な解釈のDC映画が作れるわけです。

 今回の「DCファンドーム」はまさにDC映画のマルチバースがどんどん広がっていく、ワクワクするような可能性を感じさせてくれました。DCが好きだから「DCファンドーム」に参加したわけですが、DCのことがますます好きになりました! WE LOVE DC!

 なお日本時間9月13日からの「第2弾:ディスカバー・マルチバース」の日本発の番組『DCファンドーム:日本から世界へ!メイド・イン・ジャパンなDCの魅力大解剖!』には、LiLiCoさん、尾上松也さん、FUJIWARA藤本敏史さん、樋口真嗣さん、日本のDCコスプレイヤーの皆さんとともに、わたくしすぴ豊も参加しています。ぜひご覧ください!

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を『スクリーン』誌、『DVD&動画配信でーた』誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

■公開情報
『ザ・バットマン』
2021年劇場公開
出演:ロバート・パティンソン、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライトほか
監督:マット・リーヴス
脚本:マット・リーヴス、マットソン・トムリン
配給:ワーナー・ブラザース

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