『ザ・バットマン』は“ヒーロー×『セブン』”? 重大発表相次いだ「DCファンドーム」を振り返る

重大発表相次いだDCファンドームまとめ

『ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ』

 本作は配信でリリースされるので劇場用公開映画ではないのですが、ファンの間でとても盛り上がっている期待作。2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』はとある事情があって監督のザック・スナイダーが完成直前に降板してしまい、『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督が完成させました。しかしファンの間からザック・スナイダーの本来意図していた『ジャスティス・リーグ』が観たいとの声があがり(劇場公開版からは相当色々なシーンがカットされていたらしい)、ここに来てザック・スナイダーが手直したバージョンが、来年HBO Max(ワーナー系の配信サービス)でリリースされることになったのです。それが通称『ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ』です。

 今回のプレゼンではザック・スナイダーからのビデオ・メッセージの形でベン・アフレック、ヘンリー・カヴィル、レイ・フィッシャー、エズラ・ミラー、ガル・ガドットが順繰りに登場し、ファンから監督への質問を代行して読み上げる形で展開。ビデオ出演の形ですが、ベン・アフレック、ヘンリー・カヴィルが「DCファンドーム」に顔をそろえてくれたのは嬉しいですね。

Zack Snyder’s Justice League | Official Teaser | HBO Max

 そして『ザック・スナイダー版ジャスティス・リーグ』の予告公開! 登場するメイン・ヴィランのステッペンウルフのデザインも劇場板と異なり、フラッシュやサイボーグのアク
ションも増量! 劇場版とは全く違う作品になりそうです!

『ザ・バットマン』

 締めはやっぱりこの作品! ファンが本当に楽しみにしていたパネルです。この映画のキーカラーは赤と黒のようで、赤をベースにした仮想空間でのプレゼン。まずロバート・パティンソンのメッセージから始まり、監督のマット・リーヴスが熱く語ります。僕は数年前、サンディエゴ・コミコンで『モールス』というホラー映画のパネルを取材した時にマット・リーヴス監督がゲストだったんですけど、すごくしゃべる方だなっていう印象があったんです。今回もマシンガン・トーク(笑)! 僕がいくつか拾えたのは、

・バットマンのオリジンを描くのではなく、バットマンが“かけだし”で、まだ血気盛んな頃。だから彼は色々失敗しながらバットマンになっていく。
・ミステリー色の強い、バットマンを探偵モノとしても描いている。
・自分としては『チャイナタウン』『フレンチ・コネクション』『タクシードライバー』のような70年代の犯罪アクション映画の影響をとりいれている。
・どのバットマン映画も役者も好きだ。色々なバットマンがあっていい。そしてバットマンのコミック自体、様々なクリエーターが基本を守りながら独自のアレンジをして幅を広げた。だから僕も僕なりにバットマンを作ってみた。
・HBO Maxでこの映画の前段となる、ゴッサム市警を描いたドラマも考えている(僕はこのパネルの時は聞き取れなかったのですが、あとで海外のメディアの報道とか読み返してみると、映画『ザ・バットマン』は、ブルースがバットマンになって2年目の“イヤー・ツー”の話であり、ドラマ版は“イヤー・ワン”時代の話だと)。

 監督の想いが伝わるトークの後、待ちに待った『ザ・バットマン』の、世界初のティザー予告編公開です!

The Batman - DC FanDome Teaser

 この予告で明らかになったのは、すでにバットマンがいる世界です。しかしまだ世間やゴッサム市警からも疑問視されてるみたいで、全然ヒーローと思われていない感じ。そのバットマンに対し、謎のヴィラン(恐らくリドラー)がメッセージを残し、犯罪を繰り返していく、という流れです。

 僕の印象はヒーロー映画×『セブン』(ブラピ出演のサイコ・スリラー)みたいな今までにないトーンのバットマン映画になりそうです。コリン・ファレルがすごいメイクでペンギンになっていたり、ゾーイ・クラヴィッツのセリーナ/キャットウーマンも登場。ロバート・パティンソンの物悲しさも新たなブルース・ウェイン像をみせてくれそうです。ちゃんとバットモービルも出てきます。「DCファンドーム」開始から8時間後に配信されましたが、待っててよかった(笑)!

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