『未解決の女』原作から大胆に翻案されたキャラクター像 波瑠&鈴木京香“年の差バディ”の魅力

『未解決の女』“年の差バディ”の魅力

 肉体派熱血刑事・矢代朋(波瑠)と文字フェチ頭脳派刑事・鳴海理沙(鈴木京香)がバディを組んで未解決事件を捜査する『未解決の女 警視庁文書捜査官』のSeason2がテレビ朝日系で放送中だ。

 考えるよりも行動が先に出てしまう朋と、人が苦手で文書室にこもっているのが好きな理沙という対照的な2人が“文字”を手掛かりに未解決事件を捜査していく本作は、2018年4月期に連続ドラマとして放送、2019年4月にはドラマスペシャルが放送され、今回が待望のSeason2となる。

 朋と理沙が所属する警視庁捜査一課「特命捜査対策室」第6係(文書解読係)には、理沙に密かな思いを寄せており、無口だが口を開くと誰もが認める“いい声”の草加慎司(遠藤憲一)、ドラマスペシャル時には京都府警捜査一課の刑事として登場し、今シーズンから前係長の財津喜延(高田純次)に代わる新係長としてやってきた国木田哲夫(谷原章介)、そしてプライドが高く出世のことばかり考えており、理沙からは「腹黒」と呼ばれている特命捜査対策室室長の古賀清成(沢村一樹)、室長補佐として古賀の腰巾着的存在として仕えている宗像利夫(皆川猿時)といった個性豊かなメンバーが集っている。

 そして捜査をしていく中で、朋がかつて所属していた強行犯第5係とも何かと関わるのだが、前係長の川奈部孝史(光石研)に代わり新係長となり張り切っている、朋の元上司で理沙の同期でもある桑部一郎(山内圭哉)、同期の朋のことを何かと意識しており、その真面目さや容貌から古賀に「スラッとマジメ」と呼ばれることもある岡部守(工藤阿須加)、岡部の後輩でまっすぐだがどこか頼りない多部和樹(飯島寛騎)ら、こちらもクセの強いメンバーばかりだ。そんな特殊な男社会の中でも埋もれる事なく活躍している朋と理沙のバディが放つ魅力について探ってみた。

 まず注目したいのは、2人の年齢差だ。朋は30歳、理沙は50歳という設定になっている。年齢差のあるバディというと、同じテレビ朝日系の『相棒』がまず思い出される。杉下右京(水谷豊)と歴代の相棒の年齢差は大体10~20歳くらいと推察され、杉下が年上の落ち着いた優秀な上司として捜査を牽引し、相棒が翻弄されながらもサポートする、というパターンだ。

『エール』(画像提供=NHK)

 また、唐沢寿明と窪田正孝がダブル主演を務めた『THE LAST COP/ラストコップ』(日本テレビ系)も、唐沢演じる京極浩介と窪田演じる望月亮太は親子ほども年齢が離れており、亮太は浩介の娘・結衣(佐々木希)と付き合っている。ちなみに唐沢と窪田は現在放送休止中で9月14日からの放送再開が待たれる連続テレビ小説『エール』(NHK総合)において実の父子役を演じている。

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