『私の家政夫ナギサさん』お手本ではないヒロイン像を描く理由 多様性を認めるキッカケ作りに

『私の家政夫ナギサさん』お手本ではないヒロイン像を描く理由 多様性を認めるキッカケ作りに

 生きるために仕事をしているのに、仕事に殺されそうになる。現代で働く人なら、誰もがそんな瞬間を味わったことがあるのではないだろうか。さらに、仲間が「もう頑張れない」と流した涙に、「もっとできることがあったのでは」と自分自身を責めてしまいそうになる。

 責任感の強さゆえに自分を追い込んでしまうパラドックス。火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)第7話は、家事と両立するにはあまりにも難しい現代の仕事を見つめる回になった。

 これまで忙しいバリキャリウーマンであるメイ(多部未華子)を、抜群の家事力で支えてきたスーパー家政夫・ナギサさん(大森南朋)の様子がどうもおかしい。料理をすれば焦がし、お茶を淹れればこぼし、挙句の果てには家政夫の仕事を休んでしまう。

 ナギサさんのカバンの中にあった可愛らしい手帳、そして病院で見かけた女性が、おかしくなった原因に違いないと、にらんだメイ。前回までは1on1ミーティングなど、あの手この手を使ってさりげなく聞き出そうとしていたが、今回は「弱みを握りたい」とド直球に切り出す。

 慣れない料理で食卓を囲み、話を聞くまで帰らないと居座るメイ。ウナギフライという献立に、「弱みを見せろ」という言動には、首をかしげる人も少なくなかったはず。だが、そんな猪突猛進に人の心の中に入っていくところが“メイらしさ”なのだ。10人が10人「どうなの?」と首をかしげることが、目の前にいるたった1人に「刺さる」ことがある。そして、ナギサさんはメイといくつもの時間を共に過ごしてきて、その1人になったということだろう。

 ナギサさんが本調子ではない理由。それは、MR時代の後輩・箸尾(松本若菜)が追い込まれていたのに気づけなかったことへの後悔から。病院で箸尾を見かけたことで、いまだに通院しているのだと思い、再び自責の念にとらわれていた。メイが仕事で忙殺される様子を見て、気が気でない様子だったのも、箸尾と重なったから。働くことに、やりがいがあるのはわかる。でも、家族を、自分自身を大切にできない仕事とは、一体何なのかと問いかけられる回想シーンだった。

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