江口のりこVS堺雅人に期待大! 屈指の曲者女優は『半沢直樹』をどこまでかき回す?

江口のりこ、『半沢直樹』をどうかき回す?

 7年ぶりに帰ってきた、堺雅人主演の連続ドラマ『半沢直樹』(TBS系)。今シリーズも高視聴率をマークし、前回第4話の終盤から新章となる「銀翼のイカロス」篇に突入。半沢と対立する国土交通大臣・白井亜希子役の江口のりこの登場に、早くも嵐の予感とSNS上では期待する声が上がり、注目を集めている。曲者女優が半沢をどうかき回してくるのか、予想してみたい。

 江口のりこは、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』や『時効警察』(テレビ朝日系)、映画『ユリ子のアロマ』など、これまで200本以上の作品に出演する、実力派名バイプレイヤー。彼女のイメージと言えば、常に何か機嫌が悪そうだったり、口を開けば淡々と正論を吐くなど、彼女が登場するだけで場の空気がピリッと変わり、予定調和や無礼講が一切通じない、そんな不思議な存在感がある女優だ。

 兵庫出身の江口は、19歳のときに、映画女優になることを志し上京。柄本明が座長を務める「劇団東京乾電池」の研究生の果てに入団以降、下北沢で住み込みの新聞配達をしながら稽古に励む毎日を送ってきたという。江口のバイプレーヤーぶりは、地道かつ長大な努力の中で培われてきたものなのだ。

 最近では、2016年の『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)での地味で真面目な校閲部員役や、2019年の『これは経費で落ちません!』(NHK総合)での経理部に中途入社してきた帰国子女の麻吹美華役など、組織内での一キャラクターとしての演技で注目を集めてきた江口。常に正しさを指摘し、融通のきかなさは場の空気を乱すが、一転味方に付けると、これほど頼もしい援軍はいない。そんな役柄だ。ほかにも、映画『あさひなぐ』での尼寺で薙刀を教えるスパルタ僧侶や、ドラマ『海月姫』(フジテレビ系)で関西弁を話すインド人役など、エキセントリックな役にも関わらず、物語を引き締める名バイプレイヤーぶりを見せるのも江口ならでは。

 また江口が面白いのは、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)に出演した際に、友人の矢部太郎に「会った時はだいたい誰かの悪口を言ってますね」と暴露されていたり、TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』に出演した際に、安住からの「江口さんのよくないところは、自分が喜んでるのに、全然伝わらないこと」という発言に、「なんか怒ってるんですか?とか、現場で全然怒ってないのにそういうことを聞くから、だからそこでイラっとしちゃう」と返すと、アシスタントに「ところどころで見せる笑顔がキュンときますね」と言われ、「じゃあ、いいか」と相づちを打ったりと、演じる役柄と変わらないように見えるところが面白い。インタビューでは、「役者は、別人になるのが仕事と捉えている人もいるが」という質問に「それは私には無理。どんな役を演じていても結局は自分でしかない。だからこそ、いろいろと試しながら役を『探す』。その作業が私は好き」と答えるように(参照:vol.62 女優 江口のりこ 芝居で人生楽しくなった|朝日新聞×マイナビ転職)、江口が演じる役が、どれも江口自身だからこそ魅力のある演技ができるのだろう。

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