『半沢直樹』前半戦のテーマを振り返る 運命の取締役会は最高潮のカタルシス

『半沢直樹』前半戦のテーマを振り返る

 電脳雑伎集団によるスパイラル買収は、成立まであと一歩の状況で東京中央銀行が500億円の追加融資を検討。スパイラルと東京セントラル証券は土俵際に追い詰められた。土壇場の状況で、半沢(堺雅人)は電脳の買収劇に隠された“ある矛盾”に気付く。

 真相を知るキーパーソンは、電脳の元財務担当である玉置克夫(今井朋彦)。『半沢直樹』(TBS系)第4話で、半沢は玉置を訪ね静岡へ。並行して、半沢は電脳の財務状況に不審な点があることを伊佐山(市川猿之助)に伝えようとする。

 一方、伊佐山と副頭取の三笠(古田新太)は、大和田(香川照之)も取り込んで、追加融資の承認を得るための多数派工作を進めていた。半沢に対しては、子会社の身分でありながら親会社に楯突いたとして、またしても出向の話が持ち上がる。そして、運命の取締役会の日がやって来る。

 企業スペクタクル『半沢直樹』最大の見せ場にして、満場の観衆がやんやと喝采を送るひのき舞台が取締役会だ。前作最終話で、半沢に不正を追及された大和田が、頭取はじめ並み居る役員の前で土下座したのが取締役会であり、奇しくも同じ場所で、因縁の両者が相まみえることになった。

 と言っても、今回はなんと、大和田は半沢の助太刀。事ここに至るまで、つばぜり合いならぬ「お前なんかと誰が手を組むか! 死んでも嫌だね!」(大和田)、「あなたこそ負け犬だ」(半沢)と口を極めて罵り合うなど、相変わらずの犬猿の仲だったこともあり、「もしかしたら」と思いつつも、半沢が会議室に呼ばれるまで半信半疑であった。それだけに、半沢が登場した瞬間は、見ているこっちまで立ち上がりそうになった。

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