『リモートで殺される』は『あなたの番です』に続く? 中田秀夫×秋元康のタッグが生む恐怖を予想

『リモートで殺される』は『あな番』に続く?

 新型コロナウイルス感染拡大による“外出自粛”を受けて、ビジネスシーンから飲み会の代替ツールまでまたたく間に浸透したオンラインによるビデオ会議サービス。すでに斎藤工や上田慎一郎など多くのクリエイターたちがこのツールを活用した“リモート製作”による映像作品を発表するなど、その著しいまでの発展具合はここ数年のスマートフォンやYouTubeにも追随するほど。今後も低予算のインディペンデント系作品を中心に、“リモート製作”でのアイデアを絞った作品が続出することだろう。

 そうしたなかで、『スマホを落としただけなのに』の大ヒットで『リング』直後にも匹敵する再ブレイクを果たした中田秀夫監督が、昨年社会現象を巻き起こした『あなたの番です』(日本テレビ系)を生み出した秋元康と『劇場霊』以来のタッグを組んだドラマ『リモートで殺される』(日本テレビ系)が7月26日に放送される。本田翼、新田真剣佑、前田敦子、齋藤飛鳥ら豪華キャストにも注目が集まっている本作は、こうした“リモート”ツールを駆使した映像作品の可能性をさらに拡げることになるかもしれない。

 物語は緊急事態宣言による自粛期間の最中に、高校時代の同級生6人がリモートで集まることから始まる。その中の1人、藤原太(柄本時生)は、彼らの高校時代の友人である古郡一馬について警察が訪ねてきたことを明かす。それをきっかけに6人は、高校時代に同級生の田村由美子(齋藤飛鳥)が自殺した時から共有してきたある秘密を思い出す。そんな中、古郡の部屋で火事が起きて焼死体が発見されたというニュースが流れる。古郡の消息と由美子の死の真相を追い始めた6人は、やがて連続殺人に巻き込まれていくことに。

 登場人物がパソコンなりスマートフォンなりのカメラの前に座り、ある程度視点が限定された複数の画面がひとつの画面に同時に集約されているのが“リモート”作品の特徴である。従来の映画で使われてきた、異なる場所で同時に起きる出来事を描く際に使われたスプリット・スクリーンの演出にも通じるこの特殊な画面は、“リアルタイム性”を高めるだけでなく、思うように視点が動かないことから生じるそこ知れぬ緊張感と閉塞感を生みだすわけだ。たとえばカメラの前に座った人物の奥に、何か映ってはいけないものが映った時に、他の人々の反応を即座に確認することができる。けれども視点は一定のまま、迫ることもなければ逃げることもできない。『アンフレンデッド』や『Search/サーチ』に代表されるように、視点限定型の画面は、ホラーやサスペンスなどととても相性の良い映像アイデアといえよう。

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