菅原大吉、田中偉登、清水伸 『エール』それぞれの目線で古山家を見つめる“喜多一”の従業員たち

菅原大吉、田中偉登、清水伸 『エール』それぞれの目線で古山家を見つめる“喜多一”の従業員たち

 第1話から再放送中のNHKの連続テレビ小説『エール』。7月27日からは、第5週『愛の狂騒曲』第25回から第6週『ふたりの決意』第30回までが放送される。

 裕一(窪田正孝)と音(二階堂ふみ)は豊橋のホールで演奏会を行い、無事に成功させる。二人の将来が進み始めると思った矢先、福島へ帰った裕一を待ち受けていたのは思いも寄らぬ反応だった。

 第6週『ふたりの決意』では、裕一と彼の結婚を反対する家族との物語が描かれるが、ことの深刻さを第三者目線で伝えてくれるのが喜多一の従業員たちだ。

それぞれの目線で古山家を見つめる喜多一の従業員たち

  大河原隆彦(菅原大吉)は三郎(唐沢寿明)が店を継ぐ前から喜多一を見てきた番頭だ。豊橋から福島へ裕一が帰ってくるとき、古山家と権藤家の養子の話や留学の話、音との結婚について冷静な目で見つめていた。

 菅原の落ち着いた演技は、喜多一で長く働いてきた大河原の人生を物語る。大河原は三郎の良き相談相手ではあるが、決して古山家の問題に自分から口を出したりはしない。自分がやるべきことは喜多一の商売だと重んじているように感じられる。だからこそ、及川志津雄(田中偉登)が裕一への苛立ちを顕にしたとき、彼はごく自然に「口が過ぎるぞ」とたしなめた。口数の多い役柄ではないが、古山家と喜多一の行末を見つめる姿は印象に残る。古山家の人々とともに喜多一を続けていこうとする、静かな意志が感じられる。

 及川は、裕一の身内以外で彼を苦々しく思う人物だ。田中は、及川が裕一に抱く妬みや苛立ちを不愉快に思うような表情や口調で表現する。また妬ましさや不満といった自身の個人的な感情に折り合いをつけられない「若さ」のようなものも感じさせる。大河原が及川をたしなめたとき、彼は何も言わず足早にその場を立ち去った。そのとき田中が浮かべた「納得いかない」表情は、古山家と関わったことで蓄積された鬱屈とした感情があらわになっていた。自分のために決断を下した裕一に「あんた、強欲だよ」と罵るのも、若さゆえに思える。

 及川や裕一、喜多一の将来を気にかける桑田博人(清水伸)にも注目だ。三郎の経営に不安を抱き、将来を心配する桑田は困り顔の印象が強い。だが、古山家の問題に従業員たちが巻き込まれている様子が強く感じられるのは、清水が中堅の立場にいる桑田の戸惑いを真摯に演じているからこそ。さまざまな思いを抱えた登場人物たちを心配そうに見つめる清水の表情が、古山家の騒動を際立たせてくれる。

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