『未満警察』オリジナルへのリスペクト満載 中島健人×平野紫耀以外の登場人物の過去も明らかに

『未満警察』オリジナルへのリスペクト満載

 Sexy Zoneの中島健人とKing&Princeの平野紫耀のW主演で、韓国映画『ミッドナイト・ランナー』を原作にした日本テレビ系列土曜ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』。ちょうど1年ほど前に韓国ドラマを日本でリメイクした作品が相次いだが、映画から連続ドラマへのリメイクとなると14年前に同じ枠で放送されていた『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』が真っ先に思い浮かぶ。同作ではユニークな設定に重きを置き、ストーリーもテイストもすっかり異なる作品に生まれ変わっていたわけだが、本作では第2話(そして次週の第3話へとまたがる)で、原作の筋書きをほぼ完璧になぞるという挑戦に打って出た。

 警察学校に入って初めての外泊日を目前にした快(中島健人)と次郎(平野紫耀)は、同期の黒岩(葉山奨之)がマッチングアプリで彼女を作ったことを知って自分たちも登録。傾向と対策を練ろうとする快と対照的に、あっという間にマッチングした次郎はダブルデートを申し込むのだが、当日になってまさかのドタキャンを食らう。諦めて2人で遊ぼうとした矢先、偶然すれ違った亜未(上白石萌音)が何者かに連れ去られる現場を目撃。近くの警察署に駆け込むも別の事件があるからと取り合ってもらえなかった2人は、学校で習ったばかりの捜査の3要素「被害者・証拠・現場」に則って自分たちで捜査を試みることに。

 外出許可からの事件の目撃。テイクアウトのトッポギの袋にネギの切り方、耳かき屋に家出した少女たちが暮らす部屋。ナンバー8338の緑色のバンなどなど、ディテールに至るまでかなり忠実に再現された今回のエピソード。それでも随所に原作と明確に異なる部分が見受けられたので、本稿ではそれについてチェックしていきたい。まずはこのエピソードでの最大のテーマである“クリティカルアワー”。誘拐事件で重要となる、事件発生から被害者が殺害される確率が最も高い時間のことだが、原作では「7時間」だったものが「12時間」に変わっているのだ。国によって統計が異なるという理由も考えられるが、それよりも事件の発生した時間帯が深夜から夕方に脚色されている点が大きく影響しているようにも思える(そのため、どうしても“ミッドナイト”ランナー感は薄れることになったわけだが)。

 また耳かき屋に入ることを躊躇った快と次郎の2人が、潜入捜査をお願いしようと警察学校の同期・鷹木(傳谷英里香)を呼び寄せ、彼女がシングルマザーであると知るくだり。そして2人が通報に訪れた警察署の刑事・柳田(原田泰造)が別件から帰ってきてすぐに捜査に向けて自ら動き出そうとするくだりは、いずれも主人公2人以外の登場人物を掘り下げていくという連続ドラマならではのねらいがあるのだろう。警察学校の教官である片野坂(伊勢谷友介)と柳田は同期で、かつてバディを組んでいたという設定からは、いずれ2人の関係性が快と次郎のバディと重ね合わされるエピソードが作られることを予感させる。

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