『エール』ではリアルな母親像に期待 黒川芽以が築き上げた、“87年世代”独自のポジション

『エール』黒川芽以の“リアル”さに注目

 また、黒川は同連載にて「唯一無二な女優になりたい。誰よりも目立ちたいという意味ではなくて、気づいたらいるなぁみたいな存在に」とも語っている。2時間サスペンスや、テレビ朝日の人気シリーズ『科捜研の女』や『相棒7』など、実力派ベテラン俳優が出演し、見る目が肥えた視聴者が多いドラマでも、ベテラン俳優を相手に邪魔をせずキッチリと自分の演技を見せることができる「クセのないクセ者役者」として、同世代でほかにはないポジションを築き上げている。

 『問題のない私たち』から、言葉でなく体から伝わるリアルで、悲哀を感じさせる演技の巧さは変わっていない。『エール』で黒川が演じるのは、佐藤久志(山崎育三郎、子供時代は山口太幹)の父親の再婚相手で新しくやって来た母・佐藤玲子。久志は玲子に馴染めず葛藤することになるというが、「再婚相手の息子」となる久志との、遠くもなく近くもない関係性を黒川がどのように表現するかが見どころになるだろう。黒川自身も2019年に結婚、母親役が似合う年齢となった。演技では「リアルを伝えたい」と心がけている黒川のその演技力を活かした、“リアル”な母親像に期待だ。

■放送情報
連続テレビ小説『エール』
2020年3月30日(月)〜9月26日(土)予定
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子、菊池桃子、光石研、中村蒼、山崎育三郎、森山直太朗、佐久本宝、松井玲奈、森七菜、柴咲コウ、風間杜夫、唐沢寿明ほか
制作統括:土屋勝裕
プロデューサー:小西千栄子、小林泰子、土居美希
演出:吉田照幸、松園武大ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/yell/

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