『エール』ではリアルな母親像に期待 黒川芽以が築き上げた、“87年世代”独自のポジション

『エール』ではリアルな母親像に期待 黒川芽以が築き上げた、“87年世代”独自のポジション

 窪田正孝主演のNHK連続テレビ小説『エール』の第13週、「スター発掘オーディション!」(6月22日~26日)に、女優の黒川芽以が出演する。演技派女優として数多くの映画やドラマを彩ってきた黒川にとって、今回は2005年の『風のハルカ』以来の朝ドラ出演となる。

 黒川のキャリアは実に27年と大ベテランとも言える経験の持ち主だが、同じく1987年生まれの女優は、学年1つ上の早生まれに井上真央、そして鈴木杏や長澤まさみなど、子役時代から活躍する実力派女優が多い世代でもある。黒川は、昨年も5本の映画と4本のテレビドラマに出演と遺憾無くその実力を各所で発揮している。映画『美人が婚活してみたら』では主演として、中村倫也や田中圭を相手に婚活に励む30代の美人デザイナーをコミカルに演じたかと思えば、『人類学者・岬久美子の殺人鑑定8』(テレビ朝日系)での犯人の娘役など、主役、ヒロイン、悪役、脇役ーーどの役にもハマれるオールラウンドプレイヤーであることが、黒川の女優としての強みと言えるだろう。

 10代の頃はCDデビューや写真集の出版、2004年のドラマ『ケータイ刑事 銭形泪』(BS-TBS)で、宮崎あおい、堀北真希に続く『ケータイ刑事 銭形シリーズ』の3代目ヒロインに抜擢されるなど、アイドル的な人気を誇る若手女優の1人として活躍する一方、同時期に初主演を務めた映画『問題のない私たち』では、いじめグループのリーダーから、いじめられる側になる難しい役を熱演。特に印象的だったのは、教室へ入ると、クラスメイトたちによる葬式ごっこの嫌がらせに、笑いながら号泣する涙の演技だ。追い込まれていく女子中学生の悲痛さが話題を呼んだ。雑誌『プレイボーイ』での連載「女優・黒川芽以の30×30」で黒川は、「学生時代はほとんどイジメられてたので。自分にとって仕事の現場が一番の居場所だったんです」と語っていたが、そうした経験からくるリアルな演技になったと思うし、この作品が今では演技派と呼ばれる黒川の演技力を引き出し、ただのアイドル女優ではないことを気づかせたと言える。

 20代以降を振り返ると、映画『グミ・チョコレート・パイン』や『ボーイズ・オン・ザ・ラン』などのヒロイン、映画『冴え冴えてなほ滑稽な月』ではSM嬢の主人公、2014年の『ドライブイン蒲生』では、実家に出戻った元ヤンキーの姉など、10代の頃に比べてさらに演技の幅を広げていく。「役者として、ひとつのイメージになりたくないという思いがずっとあるので」(「女優・黒川芽以の30×30」)と、彼女は様々な役柄を演じる理由を語る。その意識の高さが、作家性の強いミニシアター系映画でも愛される所以だろう。

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