黒川芽以×大九明子監督『美人が婚活してみたら』対談 「なるべくリアル感を届けたかった」

黒川芽以×大九明子監督『びじこん』対談

 『勝手にふるえてろ』の大九明子監督最新作『美人が婚活してみたら』が現在公開中だ。人気漫画アプリ『Vコミ』で累計1000万PVを突破し、長期間ランキング1位を獲得した人気コミックを実写映画化した本作では、長く続いた不倫の終焉をきっかけに、32歳のWEBデザイナーのタカコが、本気で始めた婚活をとおして自らと向き合い、もがき苦しみながらも、30代の女性が自分の足で歩き出すまでが描かれる。

 今回リアルサウンド映画部では、タカコ役で主演を務めた黒川芽以と監督を務めた大九明子にインタビュー。制作や撮影の裏話から、お互いの印象、そして脚本を手がけたシソンヌじろうのマル秘エピソードまで、じっくりと語り合ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

黒川「“美人”というタイトルに対してのプレッシャーがすごくあった」

ーー大九監督にとっては前作『勝手にふるえてろ』以来の新作映画ということになるわけですが、どこか『勝手にふるえてろ』と近い部分があるように感じました。

大九明子(以下、大九):テーマということで言うと、1人の女性に焦点を当てていると言う意味ではそうかもしれません。原作がどうあれ、自分自身が好きな人物像を作っていってしまうので、“女の生き様”みたいな匂いは似てくるのかなと思います。ただ、今回はよしもとさん制作の映画なのですが、かねてから噂には聞いていたものの、ものすごいスケジュール感で……(笑)。

ーー具体的にどのようなスケジュール感だったんですか?

大九:『勝手にふるえてろ』が第30回東京国際映画祭で観客賞をいただいて、スタッフたちと浮かれていた2017年の12月頃にちょうどこのお話をいただいたんです。そこから2018年2月末に撮影に入って、4月には完成させて……(笑)。

黒川芽以(以下、黒川):私も今まで経験してきた中で一番早いですもん(笑)。

大九:ね(笑)。ビックリしました。撮影も9日間で大変でした。『勝手にふるえてろ』の流れでそのままそのスタッフにやってもらった感じだったので、『勝手にふるえてろ』に近しい空気感があるというのは、スタッフがほぼ被っているのも理由かもしれません。

ーー大九監督と黒川さんのタッグは2014年にWOWOWで放送されたオムニバスドラマ『ああ、ラブホテル』以来2度目となりますが、久々にお仕事をしてみていかがでしたか?

黒川:最初に一緒にお仕事をしてから結構時間も経っていますし、前回はオムニバスドラマの中の1話で撮影も1日だけという短さだったんですけど、やっぱり面白い方だなという印象が強かったです。「こうしてみて」「ああしてみて」という指示が、今までの自分になかったものを引き出してくれるので、一緒にやっていてすごく楽しくて。前回1日だけのお仕事だったのに、今回こうやってまた声をかけてくださったのが本当に嬉しかったです。しかも『勝手にふるえてろ』で大九監督がすごいことになっているタイミングだったので、同時にプレッシャーも感じました。あとは「美人」というタイトルに対してのプレッシャーもすごくあって……(笑)。

ーーいやいや(笑)。

黒川:本当に毎日家に帰るとそのプレッシャーに押しつぶされそうになりながら……。でも現場に行ったら大九監督は明るくて優しいし、すごく面白い演出をしてくださるので、とても楽しかったですね。

大九:黒川さんはキャリアも長いので、一ファンとしていろいろな作品を観ていたんです。そんな時に初めて『ああ、ラブホテル』でご一緒して、意外とガーリーというか、コメディエンヌな部分がすごくあるなと思ったんです。どちらかと言うと、きれいでセクシーなお姉さんのような、男性のミューズのような役どころが多かった気がしたので、黒川さんのそういう面をもっと引き出せる人がいたらいいなと。普段の黒川さんは、女の子が一緒に連れ回したくなるようなタイプだと思うんですよね。

黒川:確かに友達から「芽以が彼氏だったらいいのに」ってめっちゃ言われます。

大九:そうそう。男性からすると、もしかしたら「そんな黒川芽以は見たくない」というようなちょっとおちゃらけた部分もあるのかもしれないですけど、女性はたぶんそれでグッと心を掴まれるんじゃないかと。そのいじくる役が私に回ってきたので、素直に嬉しかったですし、光栄でした。

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