林遣都が『教場』『スカーレット』で放った魅力 『世界は3で出来ている』1人3役への期待
林遣都が主演を務めるドラマ『世界は3で出来ている』が、フジテレビ系で6月11日23時より放送される。
本作は、緊急事態宣言が解除されても、しばらく続くコロナ禍の日々の中で、出来ない(できない)ことを面白がり、限られた制約をあえて楽しもうと生まれた企画。リモートによる打合せと、密を避けての安心安全な撮影を徹底した、いわばソーシャルディスタンスドラマだ。林遣都が一卵性の三つ子を演じ、1人3役に挑戦する。
本作で初の1人3役を演じる林遣都について、ライターの西森路代氏は以下のように語る。
「一般的には、『HiGH&LOW』(日本テレビ系)や『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)といったキャラクターの立っている作品で高い評価を得ているように思います。実際、こうした作品では、『HiGH&LOW』の日向紀久を演じる上でも、顔の筋肉を使って表情を作り込んだりと、俳優としての経験を元に、キャラクターをどのようにデフォルメして作品世界に着地させるかに丁寧に向き合っています。しかし一方で、リアリティを追求する演技をすることも多く、作品によって実直に表現の仕方をコントロールすることのできる非常に魅力的な役者さんだと思います。例えば1月の新春ドラマとして放送された『教場』(フジテレビ系)だと、林さんが演じた平田和道は、警察官の父親からのプレッシャーを受ける中で様々な劣等感を持っており、しまいには仲間にその怒りを向けてしまうという、倫理観だけでは語りきれない役柄でした。短い出演時間ながら、その人がどんな風に生きてきたのだろうと、こちらに想像させるようなリアリティを持ったお芝居をされていました」
1月に放送された木村拓哉主演ドラマ『教場』は、警察学校を舞台に繰り広げられる様々な人間模様を描いた作品。林はインタビューで「どれだけの苦悩を経て生きてきたのかという部分に重きを置いて演じました」(引用:林遣都『教場』の撮影に「あそこまでワクワク、ゾクゾクしたのは久しぶり」|フジテレビュー!!)と語るように、まさに人間の複雑な内面を表した演技で異彩を放っていた。2夜連続放送のうちの1夜目にして、警察学校を去るという役柄だったが、視聴者に強烈なインパクトを与えた。