『麒麟がくる』「桶狭間の戦い」の重厚な描写 名将たちの活躍を振り返る

『麒麟がくる』「桶狭間の戦い」の重厚な描写 名将たちの活躍を振り返る

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため4月1日から撮影が休止していた大河ドラマ『麒麟がくる』。先日、6月30日から撮影再開が発表されることが発表され、SNS上では大いに盛り上がったが、放送は第21回「決戦!桶狭間」を持って一時中断となった。奇しくも前半戦最後となった「桶狭間の戦い」に多くの視聴者から賞賛の声があがり「早く続きが観たい」という声が殺到しているという。そんな大きな反響があった「桶狭間の戦い」を振り返ってみたい。

“無謀ではない戦い”を証明する戦略家な織田信長像

 「桶狭間の戦い」と聞くと思い出されるのが、高校時代の日本史の授業。いまとは違い緩い時代だったため、文科省が告示する“学習指導要領”なるものにも捉われない日本史の教師は、1カ月近く“桶狭間の戦い”の詳細をひたすらしゃべっていた。内容はほとんど覚えていないが、ひたすら「今川軍2万5000の兵に対して、織田軍は2~3000の兵。しかし奇襲作戦で織田軍は今川義元の首を取った」と強調していたことだけはずっと頭の片隅にあった。

 そんななか、染谷将太演じる織田信長は、今川軍2万5000という兵の数を、父・信秀(高橋克典)から伝えられた「今川義元は用心深い」という人物像と戦況を丁寧に考察。「今川義元を叩くならいましかない。3000の兵でも戦える」と大勝負に出る。とは言いつつ、計算した今川本軍の予想される兵は7000。織田軍とは倍近く違うので、自身も「死のうは一定(いちじょう)」と、この戦いで命を落とす可能性があることに言及している。

 これまで“軍司”と言われるほど、信長の進む道に光を照らしていた帰蝶(川口春奈)だが「桶狭間の戦い」に関しては、ただただ信長を信じて待つだけの妻としての一面を見せた。戦いに勝利したあと、信長は「帰蝶は母親じゃ」と明智光秀(長谷川博己)に話していたが、二人の関係性も大きな見どころとなっている。

「海道一の弓取り」と言われた今川義元の表現

 信長の戦略に続いて新鮮だったのが、駿河・遠江の戦国大名・今川義元(片岡愛之助)の勇猛果敢な姿。「海道一の弓取り」という異名を持っているだけに、武芸にも秀でた人物であることは想像できるのだが、これまで映画やドラマで登場する義元は、どちらかというと“弱さ”が目立つようなキャラクター付けされることが多かった。

 しかし本作では、愛之助の佇まいもあるが、凛々しく勇猛な人物として描かれている。最後、今井翼演じる毛利新介に討たれてしまう場面でも、左腿を刺されていながら、何人もの武将を返り討ちにするなど、「海道一の弓取り」というだけの戦いを見せた。さらに義元は、自軍の武将たちが乱取り(戦のあと、破れた兵士から、武器や甲冑などを奪う行為)を行っていることを知ると激高。愛之助の表情も相まって誇り高き武将を印象づけた。

 そんな義元が絶命するシーンは、すでに大きな話題になっているが、ワイヤーを使った派手なアクションは、かなり斬新。愛之助は公式サイトで「天下統一に一番近いと言われた武将。桶狭間の戦いの殺陣のシーンでも、最後まで屈強な義元を演じられるように心がけ、絶命のその瞬間まで戦う武将であることを意識しました」とコメントしていたが、その言葉通り、作品に大きなインパクトを残した。

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