篠原涼子が作り上げた『ハケンの品格』での愛すべきキャラ 今後の“春子節”にも期待

篠原涼子、春子の愛すべきキャラクター

 働くことは生きること。3カ月の派遣社員としての契約を終えた春子(篠原涼子)は、S&Fに多くの功績を残して会社を去るのであった。『春子の物語 ハケンの品格 2007 特別編 第七夜』(日本テレビ系)では春子の派遣社員としての生き方と、その生き様に影響されて“変化”した人々を描く。

 自身の勤める会社の人間と深く関わらず、残業もしない。笑顔を見せることもなく、仕事に対してシビアな考え方を持つ春子だったが、S&Fで働く経験は春子にとって「特別な体験」となる。里中(小泉孝太郎)や東海林(大泉洋)は春子が3カ月で契約を継続せず会社を去ってしまうことをなんとか止めさせようと四苦八苦。しかし、春子の決意は固く誰にも止めることができなかった。

 そんな中、春子がなぜここまで頑なに3カ月という期間に固執するのかを里中は突き止める。両親を早くに亡くし情に厚い側面を持つ春子は、本当は人一倍の寂しがり屋。3カ月以上会社に残ると、皆との別れが辛くなる上に、正社員になっても辞めさせられる可能性もある。それゆえ短期間で自ら去っていたのだ。過去の回想シーンで「辞めたくない! みんなと別れるなんて嫌だ」と声を震わせる様子は、今の春子からは想像もつかない。しかしこの経験こそが、春子が今の働き方や人との関わり方を選んだきっかけであることは確かだろう。

 大前春子というかなりクセが強い役を、篠原涼子はお茶目さを感じさせる愛すべきキャラクターとして演じる。とっつきにくく無愛想な春子だが、東海林の眉毛を抜いて吹きかけるなど、時にクスリと笑ってしまうような行動に出ることもしばしば。こうした突拍子もない行動は春子の個性を表すと共に、どこか親近感や可愛らしさを感じさせた。

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