「とっくり」「くるくるパーマ」 『ハケンの品格』篠原涼子と大泉洋の“ツンデレ”な関係性
『春子の物語 ハケンの品格2007特別編 第二夜』(日本テレビ系)として『ハケンの品格』(第1シリーズ)のダイジェスト編集版が放送された。本作は放送予定であった『ハケンの品格』(第2シリーズ)が新型コロナウイルスの影響で放送延期になったため、同シリーズの主人公である大前春子(篠原涼子)の生き様にフォーカスし編集された特別編である。この日放送された回では、春子と東海林(大泉洋)との関係や、春子が派遣として勤める上でのポリシーが描かれる。
13年の時を経て再放送となっても、未だ春子のたくましさは色あせない。マグロの解体ショーから、ロシア語での商談までこなす春子の姿には、視聴者も羨望の眼差しを向けてしまうだろう。特別編の第二夜では、派遣である春子を疎んじていた東海林が、自身の窮地を救ってもらったことをきっかけに春子に惹かれ始める様子が描かれた。
東海林は派遣社員に対し偏見を持ち、春子のことも認めていなかった。だがある日、東海林が担当していたプロジェクトで活躍するはずのマグロの解体師が骨折してしまう。このピンチを救ってくれたのが春子だった。突然、集まる客の前に躍り出て口上を立てながらマグロ一本を豪快にさばいて見せる春子。彼女自身はそんなつもりはないと言うが、結果的に東海林を救った。この件から春子を気になり始めた東海林は、ついには「2カ月後には俺はもっとあんたのことを好きになってるかもしれない」とはっきりと心中を打ち明ける。第二夜では、東海林がつい“吸い込まれるように”春子のくちびるにキスをしてしまったシーンも放送され、2人の恋の予感を感じさせた。しかし一転、春子は東海林のキスを「その辺を飛び回っているハエがたまたまくちびるに止まったからって、ハエに腹を立てる人間がいますか」とバッサリ。折角2人がうまくいきそうになったところから、一気に逆に振り切る展開には期待を打ち砕かれる。
「とっくり」「くるくるパーマ」とお互いを呼び合う東海林と春子だが、いわゆる“ツンデレ”を想起させる関係性が視聴者を虜にする。なかなかなびかないながらも、東海林に呼び出され2人きりで話すときは、キスされたことを「怒っていない」と話し、心なしか優しい表情になる春子。派遣という立場や差し迫る契約期限から、春子が心を開放できる日は来るのだろうか。『ハケンの品格』(第2シリーズ)では2人がどんな関係性になっているのか、続編にも注目したい。