千葉雄大はいくつになってもチャーミング 個性を確立したドラマでの歩み

千葉雄大、多方面でキャラクターを発揮

『家売るオンナ』シリーズ(日本テレビ系)

家売るオンナ

 2016年に『家売るオンナ』第1シーズンを放送後、2017年に『帰ってきた家売るオンナ』、2019年に『家売るオンナの逆襲』とシリーズが続いた人気作である。本作で千葉は、容姿と愛嬌を武器に売り上げを伸ばす不動産会社の優秀な営業マン、足立聡を演じる。第3シーズンにあたる『家売るオンナの逆襲』ではフリーランスの不動産屋、留守堂(松田翔太)にトキメく感情を抱き告白するもフラれてしまうなど、恋をする姿も披露。本作での千葉の魅力は何と言ってもその敏腕ぶり。徹底して自分の仕事を全うし、容姿さえ武器にバリバリ働く姿だ。その一方で、留守堂に恋をしてからは自身の感情に思い悩んだり、複雑な心境に戸惑う姿が愛らしい。ややナルシストな性格の役であるものの、嫌味なく受け入れられるのは千葉のストレートな芝居があってこそ。これまでのキャリアで培ってきた体当たりの芝居で、家を売り捌く姿から恋に悩む姿まで丁寧に演じ分ける。2019年には30歳を迎えたが、美貌とかわいらしさは衰えを知らない。

 千葉は自身の個性を最大限に活かしてキャリアを積み上げていった。映画では『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(2020年)で主演を務め、連続殺人犯に捜査の協力を依頼しなければならないという難しい役を演じる。同作は、北川景子主演の『スマホを落としただけなのに』(2018年)の続編であるが、奇しくも2人は『家売るオンナ』で共演していたため、北川景子から主演をバトンタッチされる形となった。さらに今後は映画『子供はわかってあげない』が公開を控えており、物語の鍵を握る役としてその活躍を見せてくれるだろう。映画、ドラマ、CMで活躍、そしてバラエティから、ヒャダインと共演のYouTubeまで、千葉は今まさに世間の関心を集めている。その強烈な個性を武器に、いくつになってもチャーミングな役者として羽ばたいていってほしい。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
よるドラ『いいね!光源氏くん』
出演:千葉雄大、伊藤沙莉、桐山漣、入山杏奈、神尾楓珠、小手伸也ほか
原作:えすとえむ
脚本:あべ美佳
音楽:小畑貴裕
演出:小中和哉 田中諭
制作統括:管原浩(NHK)、竹内敬明(テイク・ファイブ)
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/drama/yoru/hikarugenji/
公式Twitter:https://twitter.com/nhk_purpleamore

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