『M 愛すべき人がいて』リミックスバージョンの味わい深さ 今すぐ観たい第4話の初カットも

『M 愛すべき人がいて』特別版の味わい深さ

 ドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日×ABEMA)第4話の放送が、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当面の間延期に。先週の第1話リミックスバージョンに続き、5月16日には「#2:いいダイヤの原石だ」「#3:お前はアーティストになるんだ!」の放送をまとめた特別ダイジェストバージョンがオンエアとなった。

 特別ダイジェストでは、名言・名シーンだらけの、より濃縮された『M 愛すべき人がいて』に。レッスンのため、ニューヨークに渡ったアユ(安斉かれん)を待ち受けていたのが、カリスマトレーナー・天馬まゆみ(水野美紀)。「あなたがアユ? アーユーアユ?」から「ビークワイエット! 静かにしろ!」「歌え! シンガソング!」と大事なことは2回言う主義の天馬は、何度見てもインパクト大だ。「疲れた。やりたくない」という顔を浮かべるアユに、バケツの水を被せ放つセリフ「今度そんな顔したらジャパンに突き返すわよ! 熨斗付けてね」には、ニューヨーカーでありながら日本のマナーも忘れない天馬の律儀な性格が見える。

 つらい日々にくじけそうになるアユの前に現れたマサ(三浦翔平)が風船を華麗にキャッチするシーン、肩を脱臼したまま挑んだ10キロマラソンでマサからの激励を受け包帯を外し全速力でゴールする場面は、何度観ても味わい深い。

 「アユはグループのセンターでデビュー」→「アユも納得」→「やっぱりマサには嘘をつけない。グループでデビューするなら歌手になるのを辞める」→「マサ『アユ、俺を信じろー!』」の流れには、「何を観せられているんだ……」という空虚な思いを抱かせられる。

 第1話リミックスバージョンのスペシャルオーディオコメンタリーに登場した伊集院光に、「タイトルの『M』が意味するものは、みな実の『M』」と言わしめた姫野礼香(田中みな実)の屈指の名シーンは、第3話にある。神の目が選んだアユに、マサはアユがデビューして1年以内、アルバム100万枚売ることができなかったら、その全額を負担し、自身も会社を辞めると宣言。狂った愛情をマサに持つ礼香は、「奪わないでね。そんなことしたら、許さなーーーーーい!」とアユを睨みつける。まるで、蛇に睨まれた蛙だ。

 「泣くのなんて簡単だけど笑ってたい」となかなかの長文を砂浜に書くアユ。この思いが後に、〈いつだって泣く位簡単だけど 笑っていたい〉という歌い出しから始まるデビュー曲「poker face」へと繋がっていく。

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