TBS「火曜ドラマ」は“社会の変化”を女性視点で描く 転機となった3作品を振り返る
人生の優先順位を見つめ直したくなる『わたし、定時で帰ります。』
2019年4月期にスタートした『わたし、定時で帰ります。』(以下、『わた定』)は、朱野帰子の同名小説シリーズを原作に、脚本は『夜行観覧車』、『リバース』(共にTBS系)の奥寺佐渡子と清水友佳子が手がけ、吉高由里子が主演を務めた作品。働き方改革が推進される一方で、まだまだ上司の目が気になって帰れない、抱えている仕事が多すぎてそれどころではない、ダラダラと残業をする習慣が抜けない……など、職場の悩みは尽きないのが現実。そんな中で、定時に必ず帰るというモットーを掲げるヒロイン・東山結衣が誕生した。定時になるとオフィスを出て、向かう先は行きつけの中華料理屋。小籠包に舌鼓を打ち、ハッピーアワーでお得に生ビールをグビグビッと飲むのが至福のとき。そのささやかな幸せを守るために効率よく働いているのだが、仕事は1人ではできないもの。職場では、個性豊かなメンバーが様々な働き方をしており、世代間ギャップに苦悩したり、育児問題に頭を抱えたりと、なかなか手ごわい。「みんなが頑張っているから」と、いつの間にか根性論に飲み込まれていく姿も実にリアルだ。明確に割り切れる問題ではないものだからこそ、常に調整していかなくてはならないのが「働き方」。結衣と共に職場の課題に向き合いながら「自分らしい働き方とは?」を考えさせられるキッカケをくれる。さらに、ワーカホリックな元恋人・種田(向井理)、家庭的な現恋人・諏訪(中丸雄一)との間で揺れ動く恋愛面を切り取って見ても、自分らしい人生を切り拓くために、どんな相手と一緒に生きるべきかという優先順位を見つめ直すポイントになりそうだ。
『逃げ恥』で多様な生き方を認め合うヒントを、『ぎぼむす』で定形外を乗り越える希望を、そして『わた定』で改めて誰かと共生する喜びを教えてくれた、火曜ドラマ枠。さて、最新作『私の家政夫ナギサさん』では、どんな女性たちの“今”を切り取って見せてくれるのだろうか。1日も早いコロナウイルスの収束と、新ドラマのスタートが待ち望まれる。
■リリース情報
『わたし、定時で帰ります。』
Blu-ray&DVD好評発売中
Blu-ray(本編3枚+特典映像1枚/4枚組): 26,400円(税別)
DVD-BOX(本編5枚+特典映像1枚/6枚組): 20,900円(税別)
特典映像(予定):メイキングほか
原作:朱野帰子『わたし、定時で帰ります。』シリーズ(新潮社刊)
出演:吉高由里子、向井理、中丸雄一、柄本時生、泉澤祐希、シシド・カフカ、内田有紀、ユースケ・サンタマリアほか
脚本:奥寺佐渡子、清水友佳子
演出:金子文紀、竹村謙太郎
プロデューサー:新井順子、八尾香澄
製作:TBSスパークル、TBS
発売元:TBS
発売協力:TBSグロウディア
販売元:アミューズソフト
(c)2018 朱野帰子/新潮社 (c)TBS/TBSスパークル
特設サイト:https://www.amuse-s-e.co.jp/title/watatei
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/watatei/