頭角を現すソニー・ピクチャーズ・アニメーション 『スパイダーバース』以降の展開を探る

 2020年3月、アメリカで9月に公開予定の映画『Connected(原題)』のトレーラーが公開された。映像での情報公開はこれが初だ。日本では聞きなれないタイトルだが、現在のアニメーション界を追う上では、見逃せない作品だ。

アニメーション業界で頭角を現すソニー・ピクチャーズ アニメーション

CONNECTED - Official Trailer (HD)

 『Connected』を製作しているのは何を隠そう、『スパイダーマン:スパイダーバース』を製作したソニー・ピクチャーズ アニメーションだ。スパイダーマンという人気ヒーローを最新の3DCG技術でアニメーション化しただけでなく、アメリカン・コミックをフィーチャーした新鮮な演出。そしてカートゥーン調のキャラクターや日本のアニメーションを模したキャラクターなど、全くタッチの異なるキャラクター群が一堂に会する映像は、全世界に衝撃を与えた。

 ソニー・ピクチャーズ アニメーションはこれまでも『スマーフ』や『モンスター・ホテル』といった作品で、アメリカの有力アニメーション製作会社の一つとして君臨していたが、『スパイダーマン:スパイダーバース』で2019年のアニメーション映画賞を総ナメにしたことで、その頭角を現したばかりだ。そんなソニー・ピクチャーズ アニメーションの新作というだけあって、『Connected』には期待がかかる。

『Connected』はどんな映画なのか?

 では、『Connected』とは一体どんな映画なのか。主人公は、映画学校への入学を控えたケイティ。そんなケイティとコミュニケーションがうまくいっていない父親リックが、家族の絆を深めようと、家族でケイティを映画学校まで送るために、アメリカ横断を決行するというロードムービーだ。それだけ聞くと、ごく普通の家族映画にも聞こえるが、一味違うのは、そんな旅行の最中に、最新型ロボットPALが人間たちへの反乱を始めるということだ。トレーラーでは、主人公のケイティが空中で戦闘を繰り広げるシーンが明らかになっており、リックたち家族がロボット軍団に立ち向かっていくといったストーリーとなっている。

 『Connected』の製作陣には、『スパイダーマン:スパイダーバース』のメンバーが多数参加するということで注目がかかるが、なんと言っても製作総指揮にフィル・ロード&クリストファー・ミラーがクレジットされていることは見逃せない。フィル・ロード&クリストファー・ミラーといえば、製作に関わっていれば間違いないと声が上がるコンビだ。『スパイダーマン:スパイダーバース』では脚本・製作に名を連ねており、これまでにもアニメーション作品では、『くもりときどきミートボール』や『レゴ(R)ムービー』といった作品で監督・脚本を務め、実写作品では『21ジャンプストリート』や『ブリグズビー・ベア』の製作に携わるなど、いずれもカルト的な人気を誇っている作品ばかりに参加している。

 さらに『Connected』の監督には『怪奇ゾーン グラビティフォールズ』のクリエイティブディレクターを務めたマイケル・リアンダを起用している。こちらもヒットシリーズを生み出した1人として、その力量には期待したい。

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