プライムタイム連ドラ初主演が続出 “若手俳優戦国時代”に竹内涼真、上白石萌音らが魅せる活躍
この1月期の民放連続ドラマを見渡してみると、ジャンルではサスペンスからラブコメまで多様なものが揃いながらも、なぜか病院を舞台にした作品が乱立。視聴率ベースで見ても序盤から突出した作品こそ見られなかったものの、終盤に向かうにつれて面白さとクオリティの高さが担保された作品が安定して注目度を増していくという流れが見受けられた。そんな中でひときわ目を引いたのが、若手俳優戦国時代ともいえる近年で堅実に力を付けてきた俳優たちが、こぞって民放プライムタイムの連続ドラマ初主演を飾ったことであろう。
とりわけ“初主演”と言われてもピンと来ないのが、前述したように終盤でメキメキと話題を集めているTBS系列の日曜劇場『テセウスの船』で主演を務める竹内涼真だ。『仮面ライダードライブ』(テレビ朝日系)で主演を務めて以降、『ひよっこ』(NHK)や『過保護のカホコ』(日本テレビ系)などで“爽やかイケメン俳優”としての安定した地位を築いた竹内だが、そのフィルモグラフィを見ても意外なほどに主演作が少ない。名目上ダブル主演となっていた2本の映画でもヒロインの相手役という位置づけが強く、そう考えると本当に『仮面ライダードライブ』以来ということになり、当然プライムタイムの連ドラでは初だ。
それでも違和感はおろか、この日曜劇場という“ドラマのTBS”の看板の主演を張っても遜色のないほどの安心感があるのは、この枠ですっかりお馴染みの顔だからに他ならない。実際、2017年秋のブレイク以降の竹内の出演作は映画を除けば(映画でもほとんどが脇に徹しているのが意外ではあるが)すべてこの日曜劇場の作品であり、主人公を立てつつも印象的な演技を残してきた。そんな竹内がこのタイミングで堂々と主演を飾る。夏に公開される藤原竜也と共演の映画・ドラマ連動作『太陽は動かない』も然り、今年は竹内涼真という俳優が真の大物になるかどうかを証明する試金石になるのではないだろうか。
また『テセウスの船』同様、着実に話題を集めてきたTBS系列火曜22時枠の『恋はつづくよどこまでも』で主演を務める上白石萌音も、深夜では『ホクサイと飯さえあれば』(MBS/TBS)があったがプライムタイムでは初主演。言わずもがな『君の名は。』のヒロインの声で大きな注目を集めながら、なかなか大役に恵まれずにいた上白石だが、どこかほわっとした空気感を漂わせる庶民的な魅力で、多くの人気女優たちが経験してきた王道のラブコメヒロインにしっくりとハマることを証明する。テレビドラマのフィールドでは『義母と娘のブルース』(TBS系)や『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)に出演した妹の萌歌の方が一歩リードしているだけに、この姉妹が互いに切磋琢磨しあってさらに伸びていくことが楽しみでならない。