松村北斗の衝撃の事実が発覚 『10の秘密』向井理はこのまま転落の道を歩んでしまうのか?
「ずっと秘密にしてきた事実が、真実だとは限らない」。この意味深な言葉から幕を開けた、2月11日放送のカンテレ・フジテレビ系列火曜ドラマ『10の秘密』第5話。10年前の火事で死者がいたことや、その遺族に送金し続けていたことなど、圭太(向井理)が隠し続けていた秘密を知ってしまった瞳(山田杏奈)は家を出て行ってしまう。そして焦燥感に駆られた圭太はふたたび帝東建設の宇都宮(渡部篤郎)のもとを訪れ、由貴子(仲間由紀恵)が例のデータで3億円を得たことと、新たに3億円を手に入れようとしていることを知るのだ。
宇都宮から手帳と引き換えに3億円を得た由貴子は、貧しい家庭で育った過去がきっかけで金銭への強い執着を持つようになったことを告白する。「お金がかかるの。人を見返すには」。思い返してみれば、第1話で由貴子の行方を探していた圭太が彼女のマンションを訪れ、そこで由貴子が多額の借金を抱えていることを知る場面があった。弁護士として成功を手にしながらも、それで満足することなく“上を目指す”あまり破滅の一途を辿る。いざ3億円(以前手にしたものと加算すれば6億円にものぼる計算になるが)を前にしても「全然足りない」と言い放つほどのその人物像は、見ようによっては少々古典的でもある。
それと同時に、宇都宮から「由貴子よりも一桁器の小さい人間」だと揶揄された圭太は、永盛(高杉亘)に依頼し由貴子から3億円を強奪するという計画を企てる。すでにこれまでのエピソードからも分かる通り、圭太というキャラクターはかなり短絡的な思考の持ち主で危なっかしい部分が見受けられる。目先の金のために賄賂を受け取ってしまったり、今回も3億円を奪ってすぐに瞳に「お金は大丈夫だから」と話してしまったり、さらには家に忍び込んだ由貴子から金の隠し場所を見破られてすぐさま表情を変える。その詰めの甘さで、一歩また一歩と転落の道を進んでいくわけだ。
こうして考えると、物語の中核を担うべき2人が周囲の登場人物と比較してあまりにもシンプルなバックグラウンドを以って描かれている。しかしこれは、ドラマ後半戦で何か大きな一捻りが待ち受けている布石のような気がしてならない。物語の始まり時点で、すでに金銭への執着心で転落した由貴子と、各エピソードの中で着実に金銭への執着を高めて由貴子と同じ轍を踏もうとしている圭太。この圭太の変化が後半戦の大きなポイントとなると同時に、由貴子の目的も単なる執着心とは異なる何かがありそうな雰囲気が漂う。