年末企画:田幸和歌子の「2019年 年間ベストドラマTOP10」 作り手が“数字”から解放されたかのような意欲作

田幸和歌子の「2019年ドラマTOP10」

 リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2019年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに加え、今年輝いた俳優たちも紹介。国内ドラマの場合は地上波および配信で発表された作品から10タイトルを選出。第8回の選者は、テレビドラマに詳しいライターの田幸和歌子。(編集部)

1.『凪のお暇』(TBS系)、『きのう何食べた?』(テレビ東京系)※同率
3.『少年寅次郎』(NHK総合)
4.『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)
5.『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』(NHK総合)
6.『トクサツガガガ』(NHK総合)
7.『だから私は推しました』(NHK総合)
8.『ルパンの娘』(フジテレビ系)
9.『サギデカ』(NHK総合)
10.『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』(NHK総合)

 平成最後で令和最初の2019年。一時は「刑事モノ、医療モノばかり」「一話完結ばかり」と言われてきたドラマが、今年は大きく変わった印象がある。視聴率2桁を獲得する作品が稀になっている中、むしろ今年は長年の呪縛となっていた「数字」から作り手が解放されたかのような意欲作、チャレンジ作が目立った。

 一つには、ネット視聴者の「考察」が盛り上がっていった2クール連続ドラマ『あなたの番です』や、30分×2本構成というアニメーションのような作りでありつつ、ホームドラマ全盛期を思い出させる温故知新の『俺の話は長い』など、様々なアプローチを見せた日本テレビのドラマ作り。固定化した従来のドラマという枠組みを壊し、ネットユーザーや若者などに強く訴求する姿勢には、覚悟が見られた。

 ドラマにクオリティやリアリティばかりが求められるようになっている現状では、「ドラマを観る人=少数のドラマオタク」になりつつある。そんな中、ドラマどころかテレビをあまり観ない層を巻き込んでいくのは、今後非常に重要になってくるのではないか。

 一方、いわゆるドラマ好きをワクワクさせてくれたのは、ドラマの質の高さ・バリエーションの豊富さで群を抜いている感のある、NHKのドラマ群。

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 『ゾンビが来たから人生見つめ直した件』『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』『だから私は推しました』など、劇団系の脚本家により、かなり攻めた内容の作品を連発している「よるドラ」枠(土曜23時半~)や、一話完結もしくは全5回程度で密度の高いドラマを作る『みかづき』『サギデカ』『少年寅次郎』などの「土曜ドラマ」枠(土曜21時~)、『トクサツガガガ』『これは経費で落ちません!』など、主に女性層を中心とした話題作の多い「ドラマ10」など、いくつもの枠を設定。面白いドラマを観ようとすると、なんだかんだNHKドラマの掌の上で周回させられてしまうような印象すらあった。



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