『ティーンスピリット』監督が劇中使用曲について語る 「シーンありきで楽曲について考えた」

『ティーンスピリット』監督が明かす楽曲選定

 2020年1月10日より公開となる『ティーンスピリット』のマックス・ミンゲラ監督が、本作のサウンドトラックについて語った。

 本作は、世界的大ヒットを収めた『ラ・ラ・ランド』のスタッフが再結集し、エル・ファニングが主演を務める青春音楽映画。イギリスの田舎町、ワイト島で暮らす内気で友達も少ない主人公のヴァイオレット(エル・ファニング)が人気オーディション番組「ティーンスピリット」に挑戦し、歌手になる夢を掴む模様を描く。

 本作を彩るのは、『ラ・ラ・ランド』の音楽スタッフがアレンジを手がけたケイティ・ペリーやアリアナ・グランデ、カーリー・レイ・ジェプセンをはじめとした、ヒットチャートを賑わす人気アーティストの楽曲たち。他にもカナダ出身の双子のデュオ、ティーガン&サラや、今や世界で支持を得るグウェン・ステファニー率いるノー・ダウト、デンマークの新鋭MØといった楽曲も収録される。

 選曲にあたり、脚本も担当したミンゲラ監督は、「楽曲はすべて脚本段階から決めていた」という。「まず、ストーリーを前へ推し進め、ヴァイオレットの心のうちを覗かせてくれるような楽曲であることが重要だった。彼女の心象風景を描くものとしてもストーリーを語るものとしても成立する楽曲でなければならなかった。だから自分のiTunesの楽曲リストにあるお気に入りの曲を無理やり押し込むことはせずに、シーンありきで楽曲について考えた」と監督が語るように、個人の好みではなく物語に寄り添った選曲であることが明かされた。

 例えば、ヴァイオレットが最終のオーディションで披露する楽曲は、ノルウェー出身のシンガーソングライター、シグリッドの「ドント・キル・マイ・ヴァイブ」。シグリッドのデビュー曲にして、ヒットソングだが、実は曲作りのプロセスで関わった大人たちが、彼女のムードをぶち壊してしまったという体験をテーマにして作られた楽曲だという。ヴァイオレットが、オーディションに挑戦していくなかで、親身でありながら少し過保護な師・ヴラドの存在や、オーディションが終了する前にヴラドとの縁を切ることを条件にレコード契約を持ちかけてくるレコード会社の幹部・ジュールズなど、大人の思惑に振り回される姿が描かれる。

 それだけ物語との親和性を考え抜かれたサウンドトラックの中に、一曲だけ例外があるという。「(エルのライバルである)ロキシーが決勝戦で歌う『Tattooed Heart』だけはれっきとした例外。あれを入れたのには、私がアリアナ・グランデのファースト・アルバムが大好きで、聴くと笑顔になるという以外の理由はない」と明かしている。

■公開情報
『ティーンスピリット』
2020年1月10日(金)角川シネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督・脚本:マックス・ミンゲラ
製作:ジェイミー・ベル、プレッド・バーガー
音楽プロデューサー:マリウス・デ・ヴリーズ
音楽監修:スティーヴン・キジッキ
出演:エル・ファニング、レベッカ・ホール
配給:KADOKAWA
(c)2018 VIOLET DREAMS LIMITED.
公式サイト:teenspirit.jp
公式Twitter:@TeenSpiritJP
公式Instagram:@violet_teenspirit

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