『シャーロック』近づくディーン・フジオカと“モリアーティ”との距離 兄役に高橋克典も登場!

『シャーロック』近づくディーン・フジオカと“モリアーティ”との距離 兄役に高橋克典も登場!

 第6話で描かれた“前世殺人”は、女子高校生がある日突然に自分が生まれる前に起きた殺人事件を語り出したというものだった。その中で登場した、20年前のS.A.という女性(堀田真由)が殺人を告白するカウンセリング映像。彼女に殺人を命じた“あの方”=守谷壬三の見えない影に執念を燃やし、何度もその映像を見返す獅子雄(ディーン・フジオカ)の姿から始まった25日放送の『シャーロック』(フジテレビ系)第8話。

 今回の事件は経済産業省に勤める柴田(久保田悠来)と、永田町のテーラーで働いている三崎(佐伯大地)という2人の男が心中した理由を探って欲しいという江藤(佐々木蔵之介)の依頼から幕を開ける。現場に残されていた死んだライオンの写真の裏に書かれていた遺書のようなメッセージ。その暗号を読み解いた獅子雄は、「サットンビジネススクール」という怪しげなエリート養成スクールに足を運び、その校長である安蘭世津子(長谷川京子)に近付くことに。

 ビジネススクールの名前になっている「サットン」といえば『シャーロック・ホームズの思い出』の中にある『入院患者』に登場する人名であり、また写真の裏に書かれていたメッセージの「赤いヒル」といえば『シャーロック・ホームズの帰還』の中の『金縁の鼻眼鏡』に登場する“語られざる事件”を想起させる。さらには獅子雄の兄・万亀雄(高橋克典)が登場し(つまりシャーロックの兄・マイクロフトに当たる役柄なわけだ)、彼に連れられて行くクラブは『ギリシャ語通訳』にも登場したディオゲネス・クラブと、今回も原作から様々な要素を抽出。中でも際立つのは、終盤の安蘭との対峙シーンで登場したチョコレートのくだり。これはまさに『緋色の研究』での“薬の決闘”そのものではないか。

 いつも通りの原作ファンの心をくすぐる要素以外にも、今回はミステリーファンにはたまらない2つのものが登場した。そのひとつは序盤で獅子雄がライオンの写真の裏のメッセージを読み解いた「ヴィジュネル方陣」。16世紀にブレーズ・ド・ヴィジュネルが完成させたこの暗号は、実に有名な暗号としてこれまでも多くのミステリー作品で登場しているものだ。そしてもうひとつは、獅子雄が安蘭に送ったメッセージに書いた「クレタ人は嘘つきだ」という言葉。いわゆるエピメニデスの“嘘つきのパラドックス”というやつだ。「クレタ人は嘘つきだ」と言ったクレタ人のエピメニデスが仮に嘘つきならばクレタ人は嘘つきではないが、エピメニデスは嘘つきになるし、その通りにクレタ人が嘘つきならばエピメニデスは本当のことを言っていて、どちらも正しくはないというパラドックスが生じるわけだ。

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