『時効警察』は時代を先取りしていた? オダギリジョー×麻生久美子が織りなす独特の空気感

『時効警察』は時代を先取りしていた? オダギリジョー×麻生久美子が織りなす独特の空気感

 2006年に『時効警察』としてスタートし、第2シリーズが2007年に『帰ってきた時効警察』として放送。そんなシリーズが12年の時を経て復活する。本日9月29日には日曜プライム『時効警察・復活スペシャル』が放送されるほか、10月11日からは『時効警察はじめました』という第3シリーズがスタートすることで話題となっている。また『時効警察 とくべつへん』も、ビデオパス、AbemaTVで全4回にわたって配信される予定だ。

 物語の中心にいたのは、オダギリジョー演じる霧山修一朗と、麻生久美子演じる三日月しずかの2人。霧山は、総武警察署時効管理課で捜査資料の管理を担当する警察官で、時効となった事件を捜査することが趣味としている。その捜査に同行してるのが三日月だ。

 三日月は、霧山に密かに思いを寄せており、霧山の捜査に同行するのが次第に楽しみになっていく。しかし、恋心にまったく無関心で、三日月の思いに1ミリも気づかず、それどころか思わせぶりなことをまったくなんとも思わずに言ってしまう霧山。そんな霧山のせいで恋心がどんどん募り、妄想を巡らせたり、恋の一人相撲でせつなくなったりする三日月の姿が描かれていた。その飄々としたところに、余計にラブコメディとして純粋な「かわいさ」が詰まっていたように思う。

 今になって見返してみると、霧山は、捜査をする上での観察眼は働くが、人の気持ち、特に三日月の気持ちはまったくわからない。そんなちょっと変わり者の霧山と、彼に翻弄されて右往左往してしまう三日月の関係性は、ベネディクト・カンバーバッチの人気を揺るぎないものにしたイギリスドラマ『SHERLOCK/シャーロック』(2010年)に代表される、昨今のバディ・相棒ものの関係性に近い感覚もある。物語の展開や作品のトーンはまったく異なるものの、人気となるバディものドラマのフォーマットを『時効警察』は先取りしていたのだ。

 そして、そんな霧山と三日月の空気感も独特だが、『時効警察』の魅力のひとつに、一癖も二癖ある周りの登場人物たちの存在もある。

 時効警察課には、ふせえり演じる又来に、サネイエを演じる江口のりこ、課長の熊本役の岩松了などがいて、ナンセンスなのに、見入ってしまう独特の間ややりとりが癖になる。また、いつも時効警察課にやってくる刑事課のいかにもな刑事・十文字疾風役の豊原功補や、鑑識課・諸沢役の光石研などもお馴染みのメンバーだ。今回放送の第3シリーズにも、これらの面々が全員続投なところもファンが期待しているところだろう。

 もともと、こうした独特の空気感は、 三木聡の脚本や演出によるところが大きい。そこに加え、第1シリーズ、第2シリーズでは、脚本や演出を園子温やケラリーノ・サンドロヴィッチ、岩松了やオダギリジョーも担当してきた。

 今回の第3シリーズでも、もちろん三木聡を軸に、脚本に『今日から俺は‼』(日本テレビ系)や『銀魂』シリーズなどの福田雄一、脚本・演出で『勝手にふるえてろ』の大九明子、演出で『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』の今泉力哉、『おじいちゃん、死んじゃったって。』の森ガキ侑大らが加わることが発表されている。今の映画界の注目の才能が集結していると言っていいだろう。

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