『マリッジ・ストーリー』や『ジョジョ・ラビット』も 第32回東京国際映画祭全ラインナップ発表

第32回東京国際映画祭全ラインナップ発表

 10月28日から11月5日にかけて、東京・六本木ヒルズほかにて開催される第32回東京国際映画祭の全ラインナップが、9月26日に都内で行われたラインナップ発表記者会見で明らかになった。

 オープニング作品に『男はつらいよ お帰り 寅さん』、GALAスクリーニング作品に周防正行監督の『カツベン!』、そしてクロージング作品にマーティン・スコセッシ監督のNetflixオリジナル映画『アイリッシュマン』が決定したことが既に発表されていたが、今回の記者会見で、『アイリッシュマン』がクロージング作品ではなく特別招待作品に変更となることがアナウンスされた。変更理由は上映環境によるもので、もともと上映が予定されていた東京国際フォーラムではなく、4K対応のTOHOシネマズ 六本木ヒルズで上映されるとのこと。

 コンペティション部門には14作品がラインナップ。日本からは手塚眞監督の『ばるぼら』と足立紳監督の『喜劇 愛妻物語』の2本が選出された。なお、本年度の審査員は、審査委員長を務めるチャン・ツィイーのほか、『アリー/ スター誕生』『グラン・トリノ』などを手がけたプロデューサーのビル・ガーバー、『エイト・タイムズ・アップ』で知られる女優/プロデューサーのジュリー・ガイエ、『氷の季節』『パピヨン』を代表作に持つ監督マイケル・ノアー、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『ここは退屈迎えに来て』などの映画監督・廣木隆一が担当する。

 アジアの未来部門には、監督、香港、イランなどから8作品、日本映画スプラッシュ部門には、森達也監督の『i -新聞記者ドキュメント-』や山田佳奈監督の『タイトル、拒絶』など9作品が選ばれた。アジアの未来部門の審査委員には、ヴェネチア映画祭プログラマーのエレナ・ポラッチ、監督/プログラムディレクターのピムパカー・トーウィラ、映画監督/脚本家の中村義洋の3人が、日本映画スプラッシュ部門の審査委員には、カンヌ映画祭代表補佐のクリスチャン・ジュンヌ、釜山国際映画祭プログラム・ディレクターのナム・ドンチュル、映画監督の大九明子が名を連ねた。

 17作品が上映される特別招待作品には、前述の『アイリッシュマン』に加え、ウォッシュ・ウエストモアランド監督の『アースクエイクバード』、ノア・バームバック監督の『マリッジ・ストーリー』とNetflix作品が3本ラインナップ。そのほか、マット・デイモンとクリスチャン・ベールが共演する『フォードvsフェラーリ』、タイカ・ワイティティ監督の『ジョジョ・ラビット』、白石和彌監督の『ひとよ』などが上映される。

 ワールド・フォーカス部門には、オリヴィエ・アサイヤス監督の『WASP ネットワーク』やブリランテ・メンドーサ監督の『ミンダナオ』など東京国際映画祭常連監督の新作が並んだほか、『マローナの素晴らしき旅』と『チェリー・レイン7番地』の2本のアニメーション映画もラインナップに加わった。

 第32回東京国際映画祭上映作品一覧は以下のとおり。

第32回東京国際映画祭 ラインナップ

オープニング作品

『男はつらいよ お帰り 寅さん』山田洋次監督

GALAスクリーニング

『カツベン!』周防正行監督

コンペティション

『戦場を探す旅』(フランス/コロンビア)オーレリアン・ヴェルネ=レルミュジオー監督
『動物だけが知っている』(フランス)ドミニク・モル監督
『ネヴィア』(イタリア)ヌンツィア・デ・ステファノ監督
『列車旅行のすすめ』(スペイン/フランス)アリツ・モレノ監督
『ディスコ』(ノルウエー)ヨールン・ミクレブスト・シーヴェシェン監督
『わたしの叔父さん』(デンマーク)フラレ・ピーダセン監督
『アトランティス』(ウクライナ)ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督
『ラ・ヨローナ伝説』(グアテマラ/フランス)ハイロ・ブスタマンテ監督
『ジャスト6.5』(イラン)サイード・ルスタイ監督
『湖上のリンゴ』(トルコ)レイス・チェリッキ監督
『マニャニータ』(フィリピン)ポール・ソリアーノ監督
『チャクトゥとサルラ』(中国)ワン・ルイ監督
『ばるぼら』(日本)手塚眞監督
『喜劇 愛妻物語』(日本)足立紳監督

アジアの未来

『エウォル〜風にのせて』(韓国)バク・チョル監督
『失われた殺人の記憶』(韓国)キム・ハラ監督
『モーテル・アカシア』(フィリピン/スロベニア/マレーシア/シンガポール/台湾/タイ)ブラッドリー・リュウ監督
『50人の宣誓』(イラン)モーセン・タナバンデ監督
『死神の来ない村』(イラン)レザ・ジャマリ監督
『ある妊婦の秘密の日記』(香港)ジョディ・ロック監督
『夏の夜の騎士』(中国)ヨウ・シン監督
『ファストフード店の住人たち』(香港)ウォン・シンファン監督

日本映画スプラッシュ

『i -新聞記者ドキュメント-』森達也監督
『叫び声』渡辺紘文監督
『猿楽町で会いましょう』児山隆監督
『タイトル、拒絶』山田佳奈監督
『テイクオーバーゾーン』山嵜晋平監督
『どうしようもない僕のちっぽけな世界は、』倉本朋幸監督
『花と雨』土屋貴史監督
『ミセス・ノイズィ』天野千尋監督
『れいわ一揆』原一男監督(特別上映)

特別招待作品

『決算!忠臣蔵』(日本)中村義洋監督 ※オープニング・イブ作品
『アイリッシュマン』(アメリカ)マーティン・スコセッシ監督
『アースクエイクバード』(アメリカ)ウォッシュ・ウエストモアランド監督
『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』(中国/日本)ユー・フェイ監督
『オルジャスの白い馬』(日本/カザフスタン)竹葉リサ監督、エルラン・ヌルムハンベトフ監督
『“隠れビッチ”やってました。』(日本)三木康一郎監督
『グレタ GRETA』(アイルランド/アメリカ)ニール・ジョーダン監督
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(日本)片渕須直監督
『殺さない彼と死なない彼女』(日本)小林啓一監督
『ジョジョ・ラビット』(アメリカ)タイカ・ワイティティ監督
『NO SMOKING』(日本)佐渡岳利監督
『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』(アメリカ)ディーン・デュボア監督
『ひとよ』(日本)白石和彌監督
『HUMAN LOST 人間失格』(日本)木崎文智監督
『フォードvsフェラーリ』(アメリカ)ジェームズ・マンゴールド監督
『Blinded by the Light(原題)』(イギリス)グリンダ・チャーダ監督
『マリッジ・ストーリー』(アメリカ)ノア・バームバック監督

特別上映

『初恋のきた道』チャン・イーモウ監督 ※審査委員長 チャン・ツィイー 女優生活20周年記念特別上映
『ヒックとドラゴン』ディーン・デュボア監督
『ヒックとドラゴン2』ディーン・デュボア監督
『帰郷』杉田成道監督
『シネマ歌舞伎 女殺油地獄』井上昌典監督
『その瞬間、僕は泣きたくなった -CINEMA FIGHTERS project-』三池崇史監督、行定勲監督、松永大司監督、洞内広樹監督、井上博貴監督
『東京パラリンピック 愛と栄光の祭典』渡辺公夫監督
『ノンフィクションW 大林宣彦&恭子の成城物語[完全版]~夫婦で歩んだ60年の映画作り~』犬童一心監督、高橋栄樹監督

ワールド・フォーカス

『ファイアー・ウィル・カム』(スペイン/フランス/ルクセンブルク)オリヴァー・ラクセ監督
『戦争のさなかで』(スペイン/アルゼンチン)アレハンドロ・アメナーバル監督
『ゴーストタウン・アンソロジー』(カナダ)ドゥニ・コテ監督
『ペインテッド・バード』(チェコ/ウクライナ/スロバキア)ヴァーツラフ・マルホウル監督
『WASP ネットワーク』(フランス/スペイン/ブラジル)オリヴィエ・アサイヤス監督
『ミンダナオ』(フィリピン)ブリランテ・メンドーサ監督
『サイエンス・オブ・フィクションズ』(インドネシア/マレーシア/フランス)ヨセプ・アンギ・ヌン監督
『ひとつの太陽』(台湾)チョン・モンホン監督
『私たちの居場所』(タイ)コンデート・ジャトゥランラッサミー監督
『フードロア:彼は魚をさばき、彼女は花を食べる』(シンガポール/ベトナム)ファン・ダン・ジー 監督
『フードロア:Island of Dreams』』(シンガポール/フィリピン)エリック・マッティ監督
『マローナの素晴らしき旅』(ルーマニア/フランス/ベルギー)アンカ・ダミアン監督
『チェリー・レイン7番地』(香港/中国)ヨン・ファン監督

Japan Now

『WE ARE LITTLE ZOMBIES』長久允監督
『五億円のじんせい』文晟豪監督
『サーティ セブン セカンズ』HIKARI監督
『さよならくちびる』塩田明彦監督
『旅のおわり世界のはじまり』黒沢清監督
『タロウのバカ』大森立嗣監督
『引っ越し大名!』犬童一心監督
『蜜蜂と遠雷』石川慧監督
『宮本から君へ』真利子哲也監督

【映像の魔術師 大林宣彦】
『海辺の映画館ーキネマの玉手箱』大林宣彦監督
『花筐/HANAGATAMI』大林宣彦監督
『異人たちとの夏』大林宣彦監督
『野ゆき山ゆき海べゆき』大林宣彦監督
『さびしんぼう』大林宣彦監督

国際交流基金アジアセンター presents CROSSCUT ASIA

『存在するもの』(フィリピン)エリック・マッティ監督
『フォックストロット・シックス』(インドネシア)ランディ・コロンピス監督
『停止』(フィリピン)ラヴ・ディアス監督
『死を忘れた男』(ベトナム)ヴィクター・ヴー監督
『永遠の散歩』(ラオス/スペイン/シンガポール)マティー・ドゥー監督
『Sisters』(タイ)プラッチャヤー・ピンゲーオ監督
『リリア・カンタペイ、神出鬼没』(フィリピン)アントワネット・ハダオネ監督
『それぞれの記憶』(フィリピン)シーグリッド・アーンドレア P・ベルナード監督
『フォークロア:母の愛』(シンガポール/インドネシア)ジョコ・アンワル監督
『フォークロア:TATAMI』(シンガポール/日本)齊藤工監督

ユース

【TIFFティーンズ】
『バグノルド家の夏休み』(イギリス)サイモン・バード監督
『人生、区切りの旅』(アイスランド/アイルランド/アメリカ合衆国)エルヴァル・ アダルステインズ監督
『約束の地のかなた』(スウェーデン)ヴィクトル・リンドグレーン監督
「TIFFティーンズ映画教室2019」

【TIFFチルドレン】
『山崎バニラの活弁小絵巻 2019』村田安司監督/ハリー・エドワーズ監督
『アウェイ』(ギンツ・ジルバロディス監督

ジャパニーズ・アニメーション

『白蛇伝 4Kデジタルリマスター版』藪下泰司監督
『エースをねらえ!劇場版』出崎統監督
『AKIRA』大友克洋監督
『海獣の子供』渡辺歩監督
『きみと、波にのれたら』湯浅政明監督
『天気の子』新海誠監督
『プロメア』今石洋之監督
『若おかみは小学生!』高坂希太郎監督

【ULTRAMAN ARCHIVES『ウルトラQ』4K上映&Premium Talk】
「2020年の挑戦」飯島敏宏監督
「ガラモンの逆襲」野長瀬三摩地監督
「東京氷河期」野長瀬三摩地監督
「カネゴンの繭」中川晴之助監督
「ウルトラ怪獣の誕生『ウルトラQ』から『ウルトラマン』へ」(アリーナイベント)

日本映画クラシックス

『羅生門【4Kデジタル修復版】』黒澤明監督
『地獄門【デジタル修復版】』衣笠貞之助監督
『赤線地帯【4Kデジタル修復版】』溝口健二監督

シン・ファンタ 復活!? 東京国際ファンタスティック映画祭ナイト

『悪人伝』イ・ウォンテ監督/『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』小林勇貴監督/+1作品

STAR CHANNEL MOVIES セレクション

『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』ジェイ・ローチ監督
『パーソナル・ショッパー』オリヴィエ・アサイヤス監督
『ローガン・ラッキー』スティーヴン・ソダーバーグ監督
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』ソフィア・コッポラ監督
『サバービコン 仮面を被った街』ジョージ・クルーニー監督

日比谷オープニング上映

 『この世界の片隅に』片渕須直監督

東京国際映画祭×11月3日はビデオの日 屋外上映会2019

『二ノ国』百瀬義行監督
『ラ・ラ・ランド』デイミアン・チャゼル監督
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ジョン・ワッツ監督
『ボヘミアン・ラプソディ』ブライアン・シンガー監督
『トイ・ストーリー』ジョン・ラセター監督
『トイ・ストーリー2』ジョン・ラセター監督
『トイ・ストーリー3』リー・アンクリッチ監督
『決断』マイケル・カーティス監督
『七人の無頼漢』バッド・ベティカー監督
『大砂塵』ニコラス・レイ監督

ゴジラ生誕65周年記念 ゴジラ・フェス2019

特別提携企画 ぴあフィルムフェスティバル(PFF)「PFFアワード2019」グランプリ受賞作品上映

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」受賞作品上映

『サクリファイス』壷井濯監督

日本映画監督協会新人賞 上映とトーク

『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督

みなと上映会

『世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方』ファイト・ヘルマー監督
『おしゃれ泥棒』ウィリアム・ワイラー監督

(左から)中島かずき、山田洋次、手塚眞、足立紳
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山田洋次
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※手塚眞の「塚」は旧漢字が正式表記。

■イベント情報
第32回東京国際映画祭 
開催期間:10月28日(月)~11月5日(火)
会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)ほか
公式サイト:www.tiff-jp.net

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