風間俊介の人を惹きつける“素直さ” 『監察医 朝顔』桑原くんに滲み出る愛され力

 だが、これまでに風間が演じてきた役柄は、愛されキャラからほど遠いものも多い。役者として注目を浴びるきっかけとなった『3年B組金八先生(第5シリーズ)』(1999年/TBS系)で演じた兼末健次郎役に始まり、『それでも、生きてゆく』(2011年/フジテレビ系)では少女を殺害した犯人、朝ドラ『純と愛』(2012年/NHK総合)では不思議な能力を持つ青年、そして昨年放送された『サバイバル・ウェディング』(日本テレビ系)では、突然婚約破棄をする身勝手な男。どれも一癖ある役どころだが、風間が持つ良い意味での“普通さ”とキャラクターの間に生まれるギャップも味方にして、視聴者を惹きつけてきた。

 その中で『監察医 朝顔』の桑原は、風間にある熱量や素朴さがそのまま滲む役どころ。第3話では、平から結婚の許しをもらった後に酔い潰れ、ランニングにパンツ姿で爆睡するという大失態。平が桑原をお姫様抱っこして布団まで運んだといい、その姿を想像するだけでとてつもなく可笑しい。また産婦人科帰りに「お父さん、やるぞーっ!」と気合いを入れ直す様も印象的で、愛すべき男・桑原くんをついつい「頑張れ」と応援したくなってしまう。そしてまた、桑原くんを演じる風間の“人を惹きつける力”に驚かされるのだ。

 風間の強みは、抜群の適応力と伝える力。パーソナリティーとしても、タレントとしても、声優としても、もちろん役者としても、適応力を駆使して的確に想いを届け、私たちはそのメッセージに自然と引き込まれていく。旧知の仲であるヒロミが「ジャニーズの異端児」と称する風間の実力を目にする機会は、今後ますます増えることになりそうだ。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。小学生男児2人の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
『監察医 朝顔』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00〜放送
出演:上野樹里、時任三郎、風間俊介、志田未来、中尾明慶、森本慎太郎(SixTONES/ジャニーズJr.)、坂ノ上茜、喜多乃 愛、宮本茉由、戸次重幸、平岩紙、三宅弘城、板尾創路、柄本明ほか
原作:香川まさひと
漫画:木村直巳
監修:佐藤喜宣『監察医 朝顔』(実業之日本社)
脚本:根本ノンジ
法医学監修:上村公一(東京医科歯科大学)
プロデュース:金城綾香
演出:平野眞、澤田鎌作
制作:フジテレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/asagao/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる