『ルパンの娘』意外性のあるキャスティングが功を奏す? 過去最高の深田恭子との化学反応

『ルパンの娘』意外性のあるキャスティングが功を奏す? 過去最高の深田恭子との化学反応

 配役にとどまらず、『ルパンの娘』には随所に遊び心のある仕掛けが施されている。豪華なのか安っぽいのかわからないLの一族の登場シーンや、華の毎度の決めポーズにはわかっていても笑ってしまう。華の恋人・桜庭和馬役の瀬戸康史は、さすが「仮面ライダー俳優」と思わせる反射神経とアクションの冴えを見せる。大貫勇輔演じる円城寺輝のミュージカルシーンや、昭和感を前面に出したサカナクションによる主題歌「モス」の挿入も心憎い。『のだめカンタービレ』(フジテレビ系)で『ソウルドラマアワード2007』の最優秀音楽監督賞を受賞するなど、音楽を情景描写とシンクロさせることに定評のある武内監督らしい演出だ。

 クセになりそうなフックが満載の『ルパンの娘』だが、最大の見どころは、なんといっても主演の深田恭子だろう。近年は『ダメな私に恋してください』、『初めて恋をした日に読む話』(いずれもTBS系)などのラブコメ路線が定着しつつあるが、シリアスからコメディ、時代劇やサスペンスまで幅広くこなす日本を代表する女優である。今回、泥棒一家の長女として、全身をタイトなコスチュームに包んだ姿から、映画『ヤッターマン』のドロンジョを思い浮かべた人も多かったと思われる。実際、『ルパンの娘』で着用する泥棒スーツはデザインをドロンジョの衣装デザイナーが担当しているのだが、10年ぶりのタイトな衣装をなんなく着こなす深田恭子に驚きの声が上がっていた。

 しかし、それ以上に、警察官一家の和馬との禁じられた恋に胸を焦がしながら、Lの一族としての使命に身を投じるというキャラクター造形のすさまじさに引き込まれる。悲劇と喜劇の両極をハイスピードで往復する『ルパンの娘』で、ギャップのありすぎる設定を違和感なく着地させる彼女は、ラブコメもアクションも超越した過去最高の深田恭子なのかもしれない。それだけでも十分に見る価値はある。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログtwitter

■放送情報
木曜劇場 『ルパンの娘』
フジテレビ系にて、7月11日(木)スタート 毎週木曜22:00~22:54放送
※初回は22:00~23:09(15分拡大)
出演:深田恭子、瀬戸康史、小沢真珠、栗原類、どんぐり、藤岡弘、(特別出演)、
加藤諒、大貫勇輔、信太昌之、マルシア、麿赤兒、渡部篤郎
原作:『ルパンの娘』 横関大(講談社文庫刊)
脚本:徳永友一
プロデュース:稲葉直人
監督:武内英樹
制作・著作:フジテレビ 第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/Lupin-no-musume/

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