「君の味方はほぼいない」坂場に向けられた痛烈な一言 『なつぞら』壁に直面する男たち
テレビ漫画では、フルアニメーションの映画とは違う手法が使われるという。それだけに、もしもテレビ漫画の作り方に慣れてしまったら、日本のアニメーションは後戻りできなくなってしまうのではないか……。
テレビ漫画に進出することは、どうやら坂場(中川大志)にとっては悩ましいことであるようだった。『なつぞら』(NHK総合)第98話では、坂場がテレビ漫画の仕事を任されたことで考え込んでしまう場面が描かれた。
子どもたちからすれば、面白いか、面白くないかが大切なのだと、仲(井浦新)から告げられた坂場。とりあえず認めた坂場であったが、彼には他にもいろいろと思うところがあるようだ。会議が終わった後のなつ(広瀬すず)との会話シーンで、抱えている思いを吐露した。もう漫画映画を作れないのではないかと落ち込んだり、上層部から嫌われているのではないかと憂えたり……。「何をすねてるんですか。あなたらしくない」と、なつから突っ込まれる坂場であったが、彼は本当に自分の現状について悩んでいるようだった。
そんなとき、会話をしている2人のところに、露木(木下ほうか)がひょっこりと姿を現す。そこで坂場は露木から「君の味方はほぼいない」とか、「人に嫌われる勇気を持つことも演出家にとっては大事な資質なんだ。君は生まれながらにしてその資質ってもんが備わっている」と言われてしまう。
だが、露木がそこで坂場に一番伝えたかったことは、嫌われているのかもしれないが、腐らずに、新しい環境で頑張れということらしい。これで完全に坂場が励まされたのかどうかは分からないが、とにかく今後の坂場の姿が気になるところである。