『なつぞら』大原櫻子の初登場で“天陽ショック”の激震再び なつの心境はいかに?

『なつぞら』“天陽ショック”の激震再び

  『なつぞら』(NHK総合)第14週「なつよ、十勝さ戻って来い」7月6日放送分(第84回)より、天陽(吉沢亮)の妻・靖枝(大原櫻子)が登場した。

 これまでの朝ドラの歴史にも言えることではあるが、『なつぞら』は週の終わり土曜日の放送分に衝撃的な展開が待ち受けていることが多い。その筆頭が、第13週「なつよ、“雪月”が大ピンチ」。週の終わりとなる6月29日放送分(第78回)で陽平(犬飼貴丈)からなつに告げられる天陽の結婚は、視聴者に大きな刺激を与え、その日Twitterでは半日近く「天陽くん」がトレンドに入り続けた。なつの妹・千遥(清原果耶)の登場という『なつぞら』における要となる第14週で、1週間ぶりに再び“天陽ショック”の激震が走ることとなる。

 『なつぞら』は第14週でちょうど物語の折り返しに入った。前半を振り返れば、なつにとって天陽はアニメーターを目指すきっかけをくれた憧れの人であり、自身を愛してくれた人でもあった。その関係性が強く表されていたのが、第7週「なつよ、今が決断のとき」で十勝の雪原に2人が寝そべり、天陽がなつに自身の心に眠る思いをぶつけたシーンだ。

 ずっとなつに有耶無耶にしていた“話したいこと”は、彼女の漫画映画を作りたいという夢を応援することへと変わっていった。後に「俺はなっちゃんが好きだ。それはこれからも変わらない」という思いも両家一同が見守る送別会の場で伝えられるわけだが、「どこにいたって俺となっちゃんは、何もない広いキャンバスの中で繋がっていられる」とだだっ広い雪原の上で、情熱的になつへと伝える魂のこもった言葉の一つひとつは、「好き」というありふれた2文字よりも相手を思いやることが伝わってくる。いつも簡単に答えを導き出してきた天陽が、何日もかけてたどり着いた思いでもあり、涙を流し彼の言葉を受け止めるなつが誰よりもその重みを理解していたはずだ。

 なつが上京した後も、2人は手紙でやり取りを続けていた。照男(清原翔)との新婚旅行で風車にやってきた砂良(北乃きい)が、亜矢美(山口智子)に天陽を「なっちゃんの恋人」と紹介し、あからさまに照れながら「私の目標とする人です」と答えたりと、なつの中で天陽は変わらず在り続けていた。一方で、天陽は、「お前も早くお前の家族を作れ」「なっちゃんのことはもう忘れてちょうだい」と両親から迫られていた。この先、酪農を継ぐと決めた身分として1人では生きていけない。それを十分に理解し、天陽はキャンバスに描いたなつの絵を赤い絵の具で上書きし涙を流す。第10週「なつよ、絵に命を与えよ」から、天陽はなつの回想でのみしか登場しておらず、第14週が久々の出演回となる。

 陽平から天陽の結婚を告げられたなつは、東洋動画で開かれた「おつかれさま会」の喧騒も聞こえなくなるほどの動揺を見せていた。久々の再会を果たす天陽と一緒に暮らす靖枝を目の当たりにしたなつの心中はさぞ複雑だっただろう。

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