『いだてん』阿部サダヲの魅力が全開! 第一部とガラリと変化した第二部の猛スピード展開

『いだてん』阿部サダヲの魅力が全開! 第一部とガラリと変化した第二部の猛スピード展開

 ドラマ終盤でも、水泳のために突っ走る政治の姿が映し出される。オリンピック出場者数をめぐって勝手な主張を繰り返す政治たちに体協会長・岸清一(岩松了)は業を煮やす。「金も自分で集めてきたらどうだ、え、渡航費、国からぶんどってきたら、20人でも30人でも連れて行くさ!」と怒鳴る岸の言葉に、政治は闘志に火がついたような表情を浮かべた。「上等だバカヤロメ!」と吐き捨てると誰よりも早く行動に出る政治。水泳のために突き進む政治のワクワクとした表情は印象に残る。その後、政治は大蔵大臣・高橋是清(萩原健一)に直談判し、オリンピック特別予算を手に入れた。どのようにして手に入れたかは次週のお楽しみだ。

 ここまで、かなりのスピードで描かれた第25回。政治の凄まじい早口とせわしない動き、第一部とは全く違うストーリー展開に唖然とした視聴者もいるかもしれない。だが政治の大胆さ、行動力の早さを視聴者に伝えるには効果的な演出だったのではないだろうか。

 また第二部からガラリと変わったオープニングにも注目したい。今までは四三がハードル走のように橋を飛び越えていたが、政治はバタフライのように大きく肩を回し、水へ飛び込むようにして橋を飛び越えていく。時代が変わり、2人目の主人公へバトンが渡されるような演出も。真正面をじっと見つめる政治に、隣に映る四三が視線を向けるのだ。時代の流れと共に色づいていく背景の中を、こちらに向かって颯爽と歩く政治の姿は、昭和という激動の時代を駆け抜けることになる政治の物語を想像させるものだった。挿入される当時の映像は陸上競技から水泳へ。モチーフは足袋から聖火に変わった。だが、政治もまた「いだてん」だ。日本人初のオリンピック選手がいて、日本にオリンピックを呼んだ男がいる。「時代は変わる」。ガラリと変わった物語の今後に期待が高まる。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』
[NHK総合]毎週日曜20:00~20:45
[NHK BSプレミアム]毎週日曜18:00~18:45
[NHK BS4K]毎週日曜9:00~9:45
作:宮藤官九郎
音楽:大友良英
題字:横尾忠則
噺(はなし):ビートたけし
出演:阿部サダヲ、中村勘九郎/綾瀬はるか、麻生久美子、桐谷健太、斎藤工、林遣都/森山未來、神木隆之介、夏帆/リリー・フランキー、薬師丸ひろ子、役所広司
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/idaten/r/

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