佐久間由衣が語る、芝居に本気で向き合った時間 「今までの経験は全てノンフィクション」

佐久間由衣が語る、芝居に本気で向き合った時間

 デビュー直後から、「ゼクシィ」CMガールやNHKの朝ドラ『ひよっこ』などのオーディション激戦区のなか役を射止めてきた若き実力派女優・佐久間由衣。現在は主演ドラマ『時空探偵おゆう 大江戸科学捜査』(カンテレ)、そして初主演映画『"隠れビッチ"やってました。』を控え、存在感を広めてきている。

 佐久間が出演する最新作『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は、息子であることを隠して父とオンラインゲームをプレイする日々を綴り、累計アクセス数が1,000万を超えるブログを原作とした親子の物語。坂口健太郎が演じる主人公・アキオの会社の同僚・里美役を演じる佐久間に、本作への思い入れや、女優としての意識を語ってもらった。

「『本物になっていく瞬間』が生まれるときがある」


ーー昨年は『チア☆ダン』(TBS系)、一昨年は『ひよっこ』(NHK総合)と長い時間をかけて一つの作品と向き合ったり、同世代が集まって一緒に作品を作り上げてきた経験は、佐久間さんにとってどういうものになっていますか?

佐久間由衣(以下、佐久間):今までの経験は全て「ノンフィクションだな」と思うんです。役柄は自分ではありませんし、起こっていく物語はだれかが作ったもので、そのなかでみんなが本気で向き合った時間が積み重なると、「本物になっていく瞬間」が生まれるときがあるなと感じていて。

長い期間をかけて撮影していた『チア☆ダン』や『ひよっこ』といった作品もそうですが、お芝居ということとはまた別に、誰かと一緒に一つのものを真剣に作り上げていくのは、自分の大切な経験となっているなと感じます。それが単発的なものであっても、そういう気持ちを感じられたらいいなというのは意識していますね。

ーー今回、『劇場版 ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は実話を元にしていて、この前出演されていた『あの日のオルガン』も実話でしたね。実話を題材にした物語への向き合い方で意識していることはあるのでしょうか?

佐久間:実話を元にした作品に参加させていただく時は、調べることを心がけていますが、すべては台本から生まれるものだと思っています。自分に与えられた一冊の台本の中からどれだけその役とタフに向き合えるか、作業としてはすることは変わらないですね。何かをモノマネすることでもないし、どれだけオリジナリティを持ってできるかというのは、どんな作品でも自分の中で大切にしています。

ーードラマや映画の出演や主演作も増えています。今現在、どんな女優になりたいか、目標はありますか?

佐久間:なんだろうなー……。お芝居をする時って、自分が経験したことや自分の考えしか、反映という意味では出来ないので、いろいろな役柄をやってみたいですが、背伸びをしているだけになってしまうんじゃないかなと思うんです。教養を増やして、役柄に向き合うことに対しても、もう少しいろんな選択肢を増やしていきたくて。自分自身でいろんな経験をすることが、結果、今自分がやっているお仕事に繋がると思うので、初心に戻るではないけれど、そういう作業が今は一番大事なのかなと考えています。いろんな役柄をやりたいというのは前提にありますが、いまこの瞬間を大事にしていきたいです。

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ーーこの作品に出演されて、佐久間さん自身、何を感じましたか?

佐久間:いろいろな目線から観れる映画だと思いますし、常に誰かが誰かを想っている映画だとも感じています。アキオもお父さんも、美樹も。そういう部分がこの作品の温かさになっているんだなと思ったので、そんなパワーが観た人にとって、なにかプラスのエネルギーになったらいいなと。

ーー劇中のアキオとお父さんのように、家族や友達と向き合いたいけどできなかった、というような経験はありますか?

佐久間:基本、思った時に伝えて、後悔がないようにしようとしているんですけど、やっぱり家族っていい意味でも悪い意味でも甘えてしまうので、素直になれない時は学生の頃にありましたね。今は年齢を重ねて、家族に対して自分ができることも増えてきたので、恩返しをしていけたらなと思うんですけど、学生の頃のままだったら後悔していただろうなと思います。

ーーTwitterを拝見していて、自身の思いを投稿したりしていますよね。あれはどんな気持ちで発信されているんですか?

佐久間:文章は常に書いてるんです。思ったことを書き留めて、思っていることが手だと間に合わない時があって、携帯のメモとかでばばばーっと書いたりはすることもあって……1日経つと書いたものが恥ずかしくなるんですよ(笑)。それを勢いでえいっと投稿して出す時もありますけど、溜めていて、これずっとあるなと思った時に出したり。ぱっと思ったことや、伝えたいことがあった時に文章を書くのが好きなんだと思います。

ーー演技にも活かされていたり?

佐久間:どうなんですかね……結構、固まってしまう感じもしていて。お芝居は現場で変わっていくこともあって、あー反省だなって思ったこともありますので、今はお芝居のことはあまり書いたりしませんね。

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