志尊淳が語る、『潤一』での新たな挑戦 「自分にはない生き方を知りました」

志尊淳が語る、『潤一』での新たな挑戦

 是枝裕和監督を中心に設立された制作者集団「分福」が手がけるプロジェクト『潤一』が6月14日より1週間限定で、丸の内ピカデリーにて公開となる。本作は、直木賞作家・井上荒野の連作短編集が原作の官能ラブストーリー。女性たちを瞬時に魅了するミステリアスな青年・潤一と、様々な背景を持った女性たちとの刹那の愛を描く。

 主演を務めた志尊淳に、“分福”との共同作業の感想や、原作への思い、自身初となるヌード、ベッドシーンへの挑戦についても話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「ベッドシーンへの抵抗は全くなかったです」

ーー原作について「自分の概念が否定された」とコメントしていましたが、改めてその感想を聞かせてください。

志尊淳(以下、志尊):僕は、人とコミュニケーションをとる時に「こう言おう」と考えたり、物事を理屈で考えることが多かったんですが、潤一は本能で生きている。そんな潤一に人間的魅力を感じましたし、自分にはない生き方を知りました。

ーーそんな原作の主人公を、自分自身が演じることにプレッシャーはありましたか?

志尊:最初はありました。でも、そのプレッシャーを考えるより、懸命に役を生きようと思って、そこからなくなっていきました。潤一という役柄に関しては、最後まで掴みきれなかったです。けれど、監督からは「誰にもわからないから掴む必要はない」と言われていて。掴みきれない中でも、「僕が感じる潤一」を作り上げるという作業は、今までやった役柄にはないアプローチで、すごくやりがいがありました。

ーー潤一は、一見すると感情が見えづらい役柄です。どのように役作りをしましたか?

志尊:絶対にテクニックで芝居をしないことは決めていました。作為的に声を小さくしたり、無表情でやろうとしたことは全くなくて、その場で相手と対話したり、なにかを見て感じるままに動くことを意識しました。潤一については、「どんな人物なんだろう? わからない」と感じるのが正解だと思うんです。登場する6人の女性も、潤一に惹かれた部分はそれぞれ違うだろうから、明確に僕から何かのメッセージを演技で表現することもなかったです。

ーー藤井美菜さん、夏帆さん、江口のりこさん、蒔田彩珠さん、伊藤万理華さん、原田美枝子さんという6名の女優との共演はいかがでしたか?

志尊:6名それぞれに距離を縮めるアプローチが違うのが、大変でもありましたが面白かったです。それぞれの女性が求めているものを瞬時に察知して、その欲求に順応したり、潤一ならではのスタンスを崩さないまま会話をしたり……それこそ理屈で演じるのではなくて、セッションのようでした。

ーー本作では、自身初となるヌード、ベッドシーンにも挑戦しています。

志尊:ベッドシーンへの抵抗は全くなかったです。体を出すことが特別なことだとも全く思ってないですし、僕の中では、作品としてその役を届ける一つのアプローチでしかありませんでした。この作品において、セックスはコミュニケーションの一つでしかないんです。本作を観るにあたって、そういうところに興味を持っていただいてももちろんいいと思うのですが、観終わった時に何か感じてくれれば嬉しいです。

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