『おっさんずラブ』『中学聖日記』『アンナチュラル』……“名台詞”で振り返る、2018年傑作ドラマ

2018年ドラマ名台詞6選

 2018年も数多くのドラマが生み出された。社会現象的なブームを巻き起こした作品、高視聴率を記録した作品、挑戦的な試みをした作品、視聴率はふるわなくとも熱心なファンを獲得した作品など、多種多様な作品の中からそれぞれの印象的なセリフをピックアップし、駆け足ながら2018年のドラマシーンを振り返ってみたい。

恋愛ドラマの新境地

『おっさんずラブ』(C)テレビ朝日


「お前が俺をシンデレラにしたんだ」

ーー黒澤武蔵(吉田鋼太郎)/『おっさんずラブ』(テレビ朝日)

 ここ数年、刑事ドラマ、医療ドラマ過多だったことの揺り戻しか、2018年は恋愛ドラマが数多く放送された。それもありきたりなものではなく、社会の動きにあわせながら、さまざまなアプローチで新しい形の恋愛ドラマが模索されていた。

 その代表例が、男性同士の恋愛を描いた『おっさんずラブ』だ。そのストレートな“純愛ぶり”に女性視聴者が熱狂。「新語・流行語大賞」(自由国民社)のトップテンにも選出された。すでに映画化も発表されている。セリフは第2話での黒澤のもの。女性営業部員・瀬川(伊藤修子)の「好きになっちゃいけない人なんて、いないんじゃないかしら」というセリフも印象深い。

『中学聖日記』(C)TBS


「もう会わない。連絡もしない。でも、ずっと願ってる。幸せにって」

ーー黒岩晶(岡田健史)/『中学聖日記』(TBS)

 中学校の女教師と中学生の男子の恋愛という難しいテーマに果敢に挑戦した『中学聖日記』。視聴率は低迷したが、若年層を中心に人気を獲得。“黒岩ロス”も発生した。このセリフは最終回で高校生に成長した晶が聖(有村架純)に言ったもの。恋愛の衝動に押し流されるのではなく、相手を思い、守り続けることの大事さを訴えたドラマだった。

 「恋愛は幸福を殺し、幸福は恋愛を殺す。好きと幸せは両立しないってことかな」「誰かを好きになるとき、正しいも間違ったもない」など、原口律(吉田羊)が発する数々の“名言”も話題を呼んだ。

 ほかにも難病ラブストーリーでありつつ意外な展開を連打した『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS)、主要登場人物が老若男女全員不倫する不倫ドラマ『黄昏流星群』(フジテレビ)、妻と愛人が修羅場を繰り広げる『あなたには渡さない』(テレビ朝日)など、一筋縄ではいかない恋愛ドラマが多かった。『きみが心に棲みついた』(TBS)、『高嶺の花』(日本テレビ)なども同じ線を狙ったのだろうが、上手くいったとは言い難かった。

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