『なつぞら』広瀬すず演じるなつは“青春”そのもの 山田裕貴×富田望生との演劇部パートにも期待

『なつぞら』広瀬すず演じるなつは“青春”そのもの

「はい。昭和30年の初夏。なつが十勝の柴田家に来て、9年の月日が流れました」

 『なつぞら』(NHK総合)第3週「なつよ、これが青春だ」は、そんな内村光良のナレーションから幕を開ける。2週に渡り、奥原なつの子供時代を演じた粟野咲莉に代わり、広瀬すずがいよいよ本格登場する。

 9年の月日が経過した『なつぞら』の世界では、なつだけでなく柴田家の子供たちや、菓子屋・雪月の雪次郎(山田裕貴)、なつの憧れの人・山田天陽(吉沢亮)がキャストを一新。なつの通う十勝農業高校(通称、勝農)の演劇部の顧問・倉田隆一(柄本佑)、なつと仲良しのクラスメイト・居村良子(富田望生)など、続々と新たな人物が顔を出していく。

 第3週でメインに描かれるのは、農協に勤める柴田剛男(藤木直人)と泰樹(草刈正雄)の酪農の経営をめぐる対立だ。なつは2人の板挟みに。顧問の倉田から「自分の問題だと思って考えてみろ」とアドバイスを受けることから、なつは大好きだけれど頑固な泰樹に理解を示すために、勝農演劇部に入部することとなるわけだ。

 次週より展開される演劇部でのパートには、タイトルが指す“青春”の色がより強く反映されることになるだろうが、高校3年生になったなつの学校生活にはすでに青春要素は多く存在している。第3週、初日の第13回では柴田牧場で逆子の仮死状態で生まれた子牛をなつが人口呼吸をして救うシーンがある。実際に羊水を口に含み牛を助けようとするなつの行動は、戸村悠吉(小林隆)の言う通り「そったらことまで……」と思ってしまうが、泰樹の元でたくましく育った証拠。もちろん、それを平然とやってのける広瀬の女優魂あってのものでもある。

 そして、学校に遅刻したなつは満足げな表情で倉田とクラスメイトに牛のお産を手伝ったことを話す。そこでお産を再現するために“牛役”に抜擢されるのが、良子。少々強引な、なつの行動が農業高校における女子を上手く表現している。広瀬と富田が、映画『チア☆ダン』『SUNNY 強い気持ち・強い愛』で共演し、大の仲良しであることもこのシーンが生まれたポイントの一つ。授業中にちょっかいを出し合うシーンは、2人のいつかの青春をそのまま描写しているかのようだ。

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