安藤サクラから朝ドラのバトンを受け取った柄本佑 『なつぞら』に活気を与える存在に

安藤サクラから朝ドラのバトンを受け取った柄本佑 『なつぞら』に活気を与える存在に

 そして、“柄本佑と演劇”という関係性で面白いのが、やはり彼が演技者の家系で生まれ育ったということだ。柄本明、故・角替和枝という演劇人を両親に持ち、弟の時生とは、兄弟で演劇ユニット「ET×2」を結成。映像作品で忙しく立ち回る傍ら、たびたび舞台にも立っているのだ。つい先頃、2017年に父・明を演出に迎え、サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』に親子で挑んだ過程が収められたドキュメンタリー『柄本家のゴドー』が封切られたばかりだが、この公開タイミングもまた非常に愉快なものである。本作ではもちろん柄本は指導者ではなく、父に“シゴかれる”立場であり、『なつぞら』でなつを“シゴく”彼の姿とあわせて観ると、実に感慨深いものがあるだろう。

 情熱的で、口にする言葉はいちいち小難しく、だけれども魅力的な倉田先生を演じる柄本佑。まだ“高校生パート”とあって、今後も彼がなつのアドバイザーとなることも多いのではないだろうか。ひょっとすると、やがてなつが進むアニメーションの世界の“物語のいろは”を、倉田先生から密かに学んでいるのかもしれない。そんなことに思いを馳せてみるのも、また一興ではないだろうか。

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。Twitter

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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