黒川芽以×大九明子監督『美人が婚活してみたら』対談 「なるべくリアル感を届けたかった」

黒川芽以×大九明子監督『びじこん』対談

大九「“黒川芽以のかわいさ”を見てほしかった」

ーー黒川さんはこのストーリーにとても共感したそうですが、具体的にどのあたりが?

黒川:一番最初に台本を読んで思ったのは、女子同士の会話の面白さです。女性って、男性よりも話すことが多いというか、セリフっぽく言ったり細かく言ったりするところがあると思うんです。まずはそこに共感できるなと思って。あと、私自身が独身で婚活もしたことがないので、30歳前後のまだ結婚していない焦りとか、揺らぐ感じもすごくわかるなって。

ーー黒川さん演じるタカコの細かい仕草やリアクションがとてもリアルでした。

大九:私は現場でポンっとやってもらうのが好きなので、実はあまり本読みとかやらないんです。だけど、今回の作品は女の人にちゃんと届けたかったので、女同士が、男の人が引いちゃうぐらいの丁々発止の毒っ気のある話をしているんだけど、それがとてもチャーミングというすれすれのところをやりたくて。なので、飲み会のシーンなどでは、黒川さんと臼田(あさ美)さんのお2人に本読みをさせていただいて、「2人のノリみたいな遊びがあってもいいので、空気感を生んでほしい」というお話はさせていただきました。その結果、ああいう面白いシーンに仕上がったので、すごく嬉しかったですね。

黒川:あさ美さんもああいう女同士の会話のシーンがすごく上手なので、特に心配もなく、私もなるべくリアル感を届けたいという思いでやっていました。私が大九さんの演出で面白いなと思ったのは、2人の男性を語る時にグラスを使ってやってほしいと言われたこと。私は最初、手でやろうかなと思っていたんですけど、それをグラスにして、競争させたりするっていう演出をしてくださって。

大九:かわいいでしょ? 女の子ってそういうことやるんですよ。黒川さんは普段そういうことやる人だと思って。

黒川:あはは(笑)。

大九:そういう“黒川芽以のかわいさ”を見てほしかったんですよね。

黒川:こんなかわいい演出をしてもらったことがないから、なんかすごく恥ずかしくなってしまって。本当に今までそういう役をやったことがなかったんです。だから、こんなかわいいことをして大丈夫なのかと(笑)。噴水での待ち合わせのシーンも、台本には「待ち合わせで待っている」としか書いていないんですけど、現場で「カエルみたいに口をパクパクしてみて」って言われて、こんな感じかなぁってパクパクやってみたら、「かわいい~」って言ってくれたりして(笑)。恥ずかしいんだけど楽しかったですね。大九監督は女優さんをかわいくしてくれる人なんだと思います。

ーーラストの黒川さんの歌唱シーンもかわいかったです。

黒川:あ、嬉しい(笑)。私、本当はカラオケに行ったら椎名林檎さんの曲を巻き舌で歌うようなタイプなんですよ!

ーーそうなんですか?(笑)

黒川:実際はあんなに可愛らしく歌えないんですけど、あの歌は最後にほんわかする感じで私も好きですね。でも、歌も歌ってるし、普段と違うかわいい感じだから、映画が公開されるのがちょっと怖い……。

大九:あー、そっか(笑)。あの曲はクランクインの直前に曲をお渡しするぐらい、ギリギリだったんだよね。

ーー直前で決めたと。

大九:どう終わらせようかと思って悩んでいたんですけど、『勝手にふるえてろ』でもご一緒した高野正樹さんの曲だったので、これは歌で終わろうと。

黒川:本当に“大九節”という素晴らしい終わり方だと思いました。

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