『はじこい』横浜流星の努力をみんなで温かく見守る 深田恭子との出会いから最後に学ぶものとは?

『はじこい』横浜流星に突きつけられた選択

 だが、菖次郎が言うように人生は「高みを目指すと厳しい選択を迫られる」もの。その言葉に「俺は両方取りに行く」と返すユリユリは、きっとまだ自分で何かを掴み取る決断しか経験がないのかもしれない。

 選択の場面には、自分の意志ではどうしようもない状況もある。大事なものを守るために、同じくらい大切なものを手放すしかない……そんな選択もあることを、彼はまだ知らない。きっと、その無知ゆえに、無垢な状態こそが、若さというものなのだろう。私たちは苦しい選択を飲み込んで、大人になっていくのだから。

 
 「子どもでいられるのは、あと少し」。18歳が大人と見なされるひとつのラインと信じてきたユリユリは、ようやく心にとどめていた順子への想いを告白する。「好きです。好きです。先生のことが、好きです」溢れる思いを言葉にして、順子を抱きしめたユリユリ。順子も、自然とユリユリの背中に腕を回し、自分の気持ちを自覚する。

 あとは、ふたりが見据えた東大合格のゴールに突き進むだけ、と思われたが、ラスト数分でまさかの展開に……。ユリユリが、東大受験と順子への恋を通じて最後に学ぶものとは何か。次回は、ついに最終回。この楽しいドラマが、「4月になったら覚める夢」だなんて思いたくない。願わくば、この愛すべきキャラクターたちが、みんな幸せになることを。そして、描かれるユリユリの決断が、視聴者にとっても大切な何かを気づかせてくれる、そんなフィナーレとなることを祈っている。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』
TBS系にて、毎週火曜22:00~
出演:深田恭子、永山絢斗、横浜流星、中村倫也、安達祐実、石丸謙二郎、鶴見辰吾、生瀬勝久、檀ふみ、高橋洋、皆川猿時
原作:『初めて恋をした日に読む話』持田あき(集英社『クッキー』連載)
脚本:吉澤智子
プロデューサー:有賀聡(ケイファクトリー)
演出:福田亮介ほか
製作:ケイファクトリー、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hajikoi_tbs/

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