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『グッドワイフ』歴代日曜劇場作品と何が違う? 日本向けにローカライズされた物語から考える

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 TBS系の日曜劇場枠で放送されている『グッドワイフ』が最終回をむかえる。本作は弁護士の蓮見杏子(常盤貴子)を主人公にしたリーガルドラマだ。

 杏子は司法修習生の時に主席で卒業し、大手弁護士事務所に三年間務めていた。東京地検特捜部長の蓮見壮一郎(唐沢寿明)と結婚し、16年間専業主婦として家庭を守ってきたが、蓮見が収賄容疑で逮捕されたことをきっかけに、弁護士に復帰する。

 司法修習時代の同期・多田征大(小泉孝太郎)の尽力で、多田が神山佳恵(賀来千香子)と共同代表を務める神山多田法律事務所に仮採用されることになった蓮見。しかし、彼女が本採用になるためには同じく仮採用となった新人弁護士・朝飛光太郎(北村匠海)よりも高い成果を出さなければならない。

 物語は、現場に復帰した杏子が徐々に仕事に慣れていき、毎回鋭い洞察力で難しい裁判に勝利していく姿を描いていく一方、収賄容疑で捕まった夫の壮一郎の冤罪を晴らすために奔走するという主軸のドラマが同時進行していく。

 一話完結の職業モノとしても連続ドラマとしても隙のない安定感のある作品だ。ただ、夫の疑惑を妻が晴らすという内助の功を描いた話かというと、二人の関係はやや複雑である。壮一郎は収賄容疑こそ否定しているが、ある女性記者と一夜を共にしたという浮気に関しては認めてしまう。

 杏子にとっては、検事として収賄をおこなったことよりも、浮気をして家族を裏切ったことの罪の方が大きい。杏子から見た家族を第一とする地に足のついた世界観と、壮一郎がみている天下国家の正義を第一だと思う検事たちの世界観が衝突する姿を、男と女の夫婦の対立として描いているのが本作の面白さなのだが、それが結果的に、日曜劇場で中年男性向けに作られてきた『半沢直樹』や『下町ロケット』といった池井戸潤原作の企業ドラマ(に登場する天下国家を語り仕事に没入するあまり家庭をないがしろにする男たち)に対する批評的な目線となっているのが、本作の隠れた魅力だろう。

      

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