『はじこい』安達祐実、深田恭子の親友兼“恋愛マスター”としての説得力 35年のキャリアが生む輝き

『はじこい』“恋愛マスター”安達祐実の説得力

 『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)に出演している安達祐実。東大受験に失敗して以来、人生に迷いっぱなしの主人公・春見順子(深田恭子)の親友、キャバクラオーナーの松岡美和を演じているのだが、少女のようなあどけない表情に世知に長けた落ち着き、妖艶さを漂わせ、大いに存在感を発揮している。

 安達祐実は、2歳からCMなどで活躍しているので、37歳にして芸歴は35年。12歳で主演したドラマ『家なき子』(日本テレビ系)の大ヒットにより、ドラマのセリフ「同情するなら金をくれ」が新語・流行語大賞になるなど、天才子役の名をほしいままにした。

 ただ、子役として成功し、そのまま大人の俳優、女優になるというのは簡単なことではない。とくに、ある役柄の印象が強すぎるとイメージが固定されてしまう。女優として子どもの頃に大成功を収めてしまった結果、14歳くらいから「このまま終わるのかな」と女優人生を悲観していたことをテレビのトーク番組で打ち明けていたが、そこまで思い詰めてしまうほど、演技に対する情熱が彼女にはあったのだろう。

 子役としては、子どもらしい、同年代の子どもたちよりも幼い顔が求められたとしても、年齢を重ねると年相応の役を演じことが難しくなるのは確かだ。現在も37歳には全く見えないが、彼女の場合は結婚、出産、離婚、再婚など、さまざま人生経験を積んで、さらに現在の夫である写真家の桑島智輝氏が撮る写真を通じて、自分を表現する術を完全に身につけたのだろう。幼い顔立ちをも武器として、可憐な少女性と妖艶さを併せ持つ、個性と魅力を今回の役柄にも生かしている。

 本作では、順子に長年片思いしている雅志(永山絢斗)の相談に乗り、しっかりアドバイスしながらも、匡平(横浜流星)の順子への本気の恋心を知ると、今度は匡平の背中を押すなど、小悪魔的要素も十分に発揮。恋愛スキルがなくて、ふわふわした順子とは対照的に、頼れる恋愛マスターといった姉御肌的雰囲気が好評で、コケティッシュな可愛らしさが女性から支持されている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる