『はじこい』安達祐実、深田恭子の親友兼“恋愛マスター”としての説得力 35年のキャリアが生む輝き

『はじこい』“恋愛マスター”安達祐実の説得力

 彼女にとって転機となった作品を挙げるとすれば、吉原で働く遊女・朝霧を演じた映画『花宵道中』(2014年公開)だろう。本作は、宮本あや子の同名小説が原作で「女による女のためのR-18文学賞」第5回で大賞と読者賞をダブル受賞。濡れ場にも果敢に挑み、朝霧の艶やかさと切なさを見事に演じきった。

 2018年放送のドラマ『海月姫』(フジテレビ系)では、ドールマニアの不思議なノムさん役が妙にハマっていて、その演技力が絶賛されていた。ギャップのある役、クセの強い役、エキセントリックな役も違和感なくサラリと演じたうえで確実に爪痕を残している。

 また、安達と同じように、90年代に主演として活躍した内田有紀、東風万智子(旧芸名:真中瞳)が、『まんぷく』(NHK総合)で主人公を支える立場で新たな魅力を発揮しているのも記憶に新しい。彼女たちに共通しているのは、女優としての型にはまることなく、過去のイメージを振り切るような挑戦をし続けていること。自身の人生経験、演じたさまざま役柄を経て、円熟味を増した彼女たちの輝きを、今後も観続けていきたい。

■池沢奈々見
恋愛ライター、コラムニスト。

■放送情報
火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』
TBS系にて、毎週火曜22:00~
出演:深田恭子、永山絢斗、横浜流星、中村倫也、安達祐実、石丸謙二郎、鶴見辰吾、生瀬勝久、檀ふみ、高橋洋、皆川猿時
原作:『初めて恋をした日に読む話』持田あき(集英社『クッキー』連載)
脚本:吉澤智子
プロデューサー:有賀聡(ケイファクトリー)
演出:福田亮介ほか
製作:ケイファクトリー、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hajikoi_tbs/

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