清水尋也と柾木玲弥が大人たちを翻弄 坂口健太郎主演『イノセンス 冤罪弁護士』若手役者の好演光る

『イノセンス』清水尋也らゲストの好演

 今回の見どころとなったのはやはり、ストーリーを一転させた田代の告発だろう。立場的に弱者である彼の発言は、とても切実でありながら、しかしどこか影があるように見せられていく。『高校入試』(フジテレビ系)や『インベスターZ』(テレビ東京系)などで度々共演している清水と柾木は、前述のドラマを彷彿させるような大人を翻弄する演技を繰り広げ、清水も、ラストでようやく心情を語り出すという役柄でありながら抜群の存在感を放っていた。『グッドワイフ』(TBS系)や『スキャンダル専門弁護士QUEEN』(フジテレビ系)、今までのリーガルドラマと比べると、主演の坂口とヒロインの川口を始め、比較的若手の俳優が物語の中心に置かれている『イノセンス』。それでも言葉や行動が軽くならずに重みのあるストーリーに仕上がっているのは、ゲスト出演陣も含め、説得力のある演技が展開され続けているからであろう。

 また、当事者と第三者という話の流れで徐々に明らかになる東央大学で過去に起きた殺人事件の内容。新たに明らかになったのは、別府所長(杉本哲太)の兄がその事件の弁護を担当しており、負けてしまったことが原因で世間からのバッシングを受けて病に倒れ、亡くなってしまったこと。そして、秋保(藤木直人)だけが、おそらく妹が殺害されたという過去を持つ事件の当事者であるということ。物語は前半戦を終えてますます軸となるストーリーの謎は深まるばかりだが、これからの展開や坂口健太郎とゲスト出演陣との掛け合いにますます注目していきたいところだ。

■原航平
編集/ライター。1995年生まれ。映画、ドラマ、演劇など、とにかく物語と役者に興味津々。大学時代の卒業論文の題材は「疑似家族を描く日本映画について」。
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■公開情報
土曜ドラマ『イノセンス~冤罪弁護士~』
日本テレビ系にて、2019年1月19日(土)スタート(初回15分拡大スペシャル)
出演:坂口健太郎、川口春奈、藤木直人、趣里、杉本哲太、市川実日子、志賀廣太郎、小市慢太郎、正名僕蔵、赤楚衛二、草刈正雄
脚本:古家和尚
音楽:UTAMARO Movement
音楽プロデュース:岩代太郎
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:荻野哲弘、尾上貴洋、本多繁勝(AXON)
演出:南雲聖一、丸谷俊平
制作協力:AXON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/innocence/

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