滝藤賢一が語る、『探偵が早すぎる』の裏側と役者としての考え方 「主演をはれる俳優に」

滝藤賢一が語る、『探偵が早すぎる』の裏側

 2018年7月から9月にかけて読売テレビ・日本テレビ系で放送された連続ドラマ『探偵が早すぎる』のDVD-BOXが2月6日に発売される。井上真偽の同名小説を連続ドラマ化した本作は、“犯罪を未然に防ぐ”探偵・千曲川光が、父親が遺した5兆円の遺産を引き継ぎ命を狙われることになる女子大生・十川一華を守るため奮闘するコメディ・ミステリーだ。

 今回リアルサウンド映画部では、史上最速の探偵・千曲川を演じた滝藤賢一にインタビュー。ダブル主演となった広瀬アリスの印象や撮影の裏側から、演じる役柄や役者としての考え方の変化まで、じっくりと語ってもらった。(編集部)【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「やれることが本当にいっぱいあった」

ーードラマ『探偵が早すぎる』の主演が決まったとき、まずはどんなことを考えましたか?

滝藤賢一(以下、滝藤):最初、僕がお話をいただいたときは、まだダブル主演の相手役が決まってなかったんです。そのあと広瀬(アリス)さんにあたってますと聞いて……「え!? ホントに出てくれるの?」って、驚きましたよ。「あの清純派の広瀬アリスが深夜ドラマに?」、「しかも、どコメディですけど……」みたいなことを、やっぱり考えるわけじゃないですか(笑)。だから、広瀬さんに決まったときは、とてつもなく嬉しかったです! まだそのときは、お会いしたこともなかったんですけど。

ーーあ、本作が初共演だったんですね。

滝藤:そうなんですよ。リリースでの広瀬さんの僕に対する印象は「年末の某番組に結構面白く出ていらして、その印象が強い」ですからね。「どんな方なんだろう?」って思いながら現場に入ったんですけど、ホントにコメント通りのキュートな方で……しかも、いたずら好きっていう(笑)。僕はもう、現場で何度も陥れられましたから。芝居も割とタガが外れやすいタイプ。攻めまくるじゃないですか。守らないといけないものが、たくさんあるはずなのに。ホント、メチャクチャやってきますからね(笑)。そういう思い切りの良さが気持ち良かったです。それで、どんどん仲良くなっていったんですよね。

ーーなるほど。

滝藤:だから、撮影はものすごい楽しかったですよ。共演者の方々、特に広瀬さんと水野(美紀)さんとは、とても仲良くさせていただきました。いまだにしょうもないことでLINEでメッセージを送り合ったりしていますから(笑)。共演者の方とそこまで仲良くなることって、僕はあまりあることじゃないんです。

ーーこのドラマは、今おっしゃった広瀬さん、水野さんと滝藤さんのお芝居が、相乗効果でどんどんエクストリームになっていく感じが、すごく面白かったです(笑)。

滝藤:ははは。逆に、監督やプロデューサーに止められることのほうが、多かったかもしれないです。それ以上はやめてくださいとか(笑)。あと、僕は普段、芝居中にあまり笑ったりしないんですけど、このドラマでは、吹き出すことが何度もあって。もう笑い出したら止まらないので、スタッフはよく呆れていましたね。時間もなかったので余計に。でも、ちゃんとやろうとすればするほど、笑っちゃうんですよ(笑)。

ーーわかります(笑)。広瀬さんも、かなり振り切ったお芝居をされていて。

滝藤:広瀬さんは、かなり振り切っていました。何かあったんですかね……。事務所の方に注意されていましたよ(笑)。

ーーもちろん、いちばん振り切ったお芝居をされていたのは、滝藤さんだと思いますけど。

滝藤:えっ? やり足りないくらいですよ! 僕が主演で深夜ドラマですよ。普通にやっても面白くないじゃないですか。意味もなく突き抜けてないと。台本も暴れてくださいと言わんばかりの内容でしたし、そういう演出でしたから。そういえば、頼まれもしてないのに、勝手にでんぐり返しをして、ギックリ腰になり、おかげで後半の撮影が大変でしたよ。自業自得ですけど……。

ーー(笑)。

滝藤:広瀬さん、水野さんはじめキャストの勢いと、『おっさんずラブ』で乗りに乗ってる瑠東(東一郎)監督をはじめ、スタッフの勢いがあったからだと思うんですよね。湯浅(弘章)監督も、映画が公開されて、勢いに乗りまくってますからね。

ーー『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』ですね。あれもすごく良い映画でした。

滝藤:そうですよね。だから、探偵チームに、すごい人間力が集結していたんだと思うんです。僕、現場では演技の選択に悩むことが多々あって。あまり自由すぎるのも難しいんですよ。特に今回のドラマは、やれることが本当にいっぱいあったから。明確な意見があったほうが助かりますよね。それはやりすぎですとか、ここはもっとやってほしいとか。監督やプロデューサーのジャッジはとてもはっきりしていたので信頼していました。

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