佐野岳が影で暗躍 『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』竹内結子と芝居で起こす“化学反応”

佐野岳×竹内結子が芝居で起こす“化学反応”

 そんな佐野は近年、テレビドラマにおいて、ゲスト出演というかたちで顔を見せることが多かった。昨年の夏季に放送された『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)では、大企業の御曹司である大学生に扮し、高慢ちきなクズっぷりを披露。かと思えば、同クールに放送された『健康で文化的な最低限度の生活』(カンテレ・フジテレビ系)では、父親から性的虐待を受けて育った青年を演じている。彼の浮かべる苦悶の表情は生々しく、観ていて胸が締め付けられるほどのものであった。これらを振り返っただけで、佐野の演技の幅の広さと、作品ごとへの適応力の高さは十分に納得できるだろう。しかも、“佐野岳らしいキャラクター”といった役どころではなく、作品ごとに見せる表情の違いに、俳優としての頼もしさが感じられるのだ。映画での活躍と同じく、ひとところに収まらない彼の才能に、各作品に触れるごとに魅了されている方も多いはずである。

『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』第4話より(c)フジテレビ

 さて、今作『QUEEN』であるが、いまのところ茂呂の存在は謎に包まれたままだ。主人公・氷見の同僚である与田(水川あさみ)たちが、氷見の過去に触れようとするたびに彼女がさらりとかわしている様子は印象的だ。氷見もまた、掴みどころのない謎めいた人物なのである。恐らく茂呂とは、“氷見の過去”あるいは“秘密”という、今はまだ水面下で進行しているサイドストーリーに視聴者を誘導するポジションなのではないだろうか。となれば今後の彼の動きに要注意である。

 第4話では氷見と茂呂が接触するようだが、佐野の重厚なトーンの芝居と、竹内の軽やかな芝居は、どのような化学反応を起こすのだろうか。茂呂が大きな動きを見せるとともに、佐野自身もまた、大きな動きを見せそうである。

『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』第4話より(c)フジテレビ

■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。

■放送情報
『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』
フジテレビ系にて毎週(木)22時〜放送
出演:竹内結子、水川あさみ、中川大志、泉里香、バカリズム、斉藤由貴ほか
脚本:倉光泰子、三浦駿斗
主題歌:YUKI
オープニングテーマ:milet
音楽:SOIL&"PIMP"SESSIONS
編成企画:加藤達也
演出:関和亮、横尾初喜、山岸聖太、戸塚寛人
制作協力:ソケット
制作:フジテレビ
制作著作:共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/QUEEN/

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